事故調査委員会報告

エクストラが落ちました。

事故の概要

かねてより、組み立てが難しい、初飛行の離陸時に脚がモゲる、エンジンがなかなかかからないといった不吉な影に付きまとわれていたエクストラであった。
そして、平成17年3月の天気に恵まれたある日、事故は起きた。
その日、オーナーのK氏は、いい気分で飛行場へ。一通りヘリなど他の機体を飛ばした後、ついにエクストラの出番。
エンジンがなかなか、かからない。プラグはOK.。慣らし運転もとうに終わったエンジン。燃料も入れた。キャブまでは燃料も来てる。スターターもよく回ってる。ニードルは、1回転半。かかるはずがかからない。う〜ん?
あ、ニードルバルブに付いてた閉めすぎ防止(?)のためのシリコンゴムリングが無い。その分ニードル1回転半といっても締まりすぎてたようだ。3回転にすると、元気よくかかった。
ますます何か不吉な予感を感じつつ、とりあえずエンジンのピークを出して滑走路(草むら)へ。
フルスロットルにすると5メートルちょっとくらい滑走して、普通に離陸。
「ええ感じや」と思いながら、2回ほど場周飛行しながら上昇。風も無いし、元気に飛んで、先の不吉な予感などどこへやら。
じゃ、初心者らしく、8の字旋回ってことで、3周ほど。やはりキビキビしてていい。

と、ここで、ノーコン!!!
スロットルがコントロールできない。ラダーもエレベータも効かん。
あ、あ、あ、と思ってる間(たぶん2秒くらい?)に機体はほぼ失速し、下向きに。
またまた、ここでノーコンのまま、突然エンジンが高回転に。
ほぼ直角に地面に突き刺さりました。
あ〜あ。

離陸からおよそ3分の出来事でした。

原因の調査報告

事故当時の状況を要点だけまとめると、以下のようになる。
1.エンジンはかかりが悪かったものの、その後、しばらく調整して好調に回っていた。
2.突然のノーコン。
3.スロットルのノーコンが致命的であり、失速直前から舵が効いていない。
4.機体の姿勢に合わせたようにエンジンの回転がスローからフルスロットルまで急激に
  変動している。
これらの状況と機体の組み立て時の制御装置その他のレイアウトなどを考慮して、原因として考えられるのは。。。。。。

怨恨(エンコン)リンケージの不具合!


飛行中に何らかの原因でバッテリーを固定している治具がはずれ、バッテリーが移動。
バッテリーのすぐそばをエンコンロッドが通っており、ノイズレスチューブを通してあるものの、胴枠とサーボの間(10センチくらい)は、宙を飛んでいる。そこにバッテリーが直撃。
エンコンスローになり、機体はほぼ失速。
機速がないので、舵が異常に効きにくく、初心者なので、デュアルレートなんて器用なことできん。で、機体が下向きに。
この機体姿勢変動で、またまたバッテリーが移動。普通にエンコンが効けばいいが、悪いことに、燃料タンクの空気を吸い込んだようで、高回転に。
そのまま、帰らぬ機体となってしまった。