料理ネタ


2007年5月

5月1日(火)

・白ワイン
・あさりとトマトのスパゲティ
・いろいろ具入りコーンクリームスープ
・鶏の網焼き
・グリーンサラダ

叔父に指摘されるまで今日がメーデーだったことをすっかり忘れていた。もう労働争議の時代は終わったと知ったふうにいえるほどには、鈍感な人間じゃないつもりだが、このぽっかりと暗い世情のなかで少しでも何か新しくできることはないか考えないとな。

やっぱり明日から長崎の母に会いに行くことにした。長崎の母は79歳なので、岡山の祖母(享年84歳)に年が近く、私にとっては母というよりどうしても祖母という感じがしてならない。明日からの長崎入りにおいては、私たちはゆういちろうのキャリアー(運び屋)の機能を果たしているだけのような気がする。会えるときにお互いに会ってもらいたいのだ。

夕食は夫の希望どおりのものをせっせと作った(偉い!)。
5月2日(水)
・ビール
・皿うどん(太麺)
・ぎょうざ

早朝にうちを出て、長崎には午前中に到着した。レンタカーで母の実家のあった三川内に行き、焼き物の祭り(はまぜん祭り)に出た。物欲を爆裂させて、自分の代で終わりにしようとしている人の超絶技巧の焼き物(透かし彫り)や、明治時代の見本品(オークション会場で一目ぼれ)、伝統と「自分の作品」とのあいだで葛藤している作り手が自分の好きなように作った焼き物(山水画を洋画風に書き直してみたもの)等々を手に入れた。窯元直売なので、ほとんど原価扱いの値段だった。本当に気に入ったものがあれば、「そんなに好きだったら持っていきんなさい」という感じだった。みなさん、デパートでマイセン等に目の色を輝かせている場合ではないですぞ、三川内焼きは、本当にすごい。そりゃ、大英博物館やルーブル美術館に陳列されるわけだわ(=滅びに瀕していることを意味する)。

お昼は、近くの佐世保で、「佐世保バーガー」の店を2軒はしごした。米軍通訳をしていた義父直伝の味を再現する夫のサンドイッチの味とは微妙に違っているのだが、どれもおいしかった。つい最近奈良にも佐世保バーガーの店がオープンしたし、最近全国展開をしているらしい。夜は、中華街で皿うどんを食べた。太麺の皿うどんは、やきそばと焼きうどんの中間のようなものを、ものすごく美味にした感じだ。

長崎の家に着いて、母を迎える準備をした。


5月3日(木)
・五島うどん
・野菜の煮物

午前中に、母がお世話になっている施設に迎えに行った。奈良の施設への転院準備に向けて、ケアマネージャーさんと打ち合わせした。保育園の待機児童どころの騒ぎではなく、奈良の特別老人養護施設はひとつの施設あたり400人待ちである。しかしそれは一人の人間がいくつもの施設に同時申請しているためで、しかも施設に入れた場合も申請取り消し手続きを誰もとらないために、実質を反映しておらず、役所を含め誰も実質を把握していないという恐ろしい状況である。だから、どうなるかは分からないのだが、お互いそばにいたほうがいいと思うので、いろいろと情報を入手して、転院できるよう動きたいと思う。

夕食は夫が作ってくれた。五島うどんはスパゲティの代わりにもなるという腰の強い細めのうどんで、長崎名物のひとつである。五島出身の者が島を出るときに母親が作って渡したものが由来らしい。讃岐と同じで、新鮮な魚介以外、他に何もなかったから、うどんが発生したそうだ。うどんに乗せたかまぼこもとてもおいしかった。山育ちの私にとって、かまぼこは苦手な部類に入っていたのだが、長崎のかまぼこは別だということを結婚して知った。普通の地元のスーパーで、普通に手に入るものがこんなにおいしいんだから、長崎の人は幸せだ。

自分たちが知らないだけで、長崎以外の他の地域にもきっとおいしいものがたくさんあるんだろうなあ。「ああ〜日本のどこかに私を待ってる〜〜」と歌いたい気分山盛りだ。
5月4日(金)
・ごはん
・豚汁

夫が作ってくれた。母を迎えている間は夫がご飯を作ることが夫婦間で暗黙のルールとなっている。味付けが多少気に入らなくても、息子が作ったものは自然とおいしく感じるだろうと思ってのことだ。しかも夫はもともと料理が上手い。

夫は口に入るものに関わり、私は外に出てきたものをどうにかする。片方に負担が偏りすぎないための掟だ。献立もシンプルだし、この掟もシンプルだ。


5月5日(土)
・皿うどん(太麺)

今日も3食、夫が作ってくれた。夜間のトイレの世話も夫がしているので(ゆういちろうのときもそうだったが、私はいったん寝たら全く起きられない)、少し疲れ気味かもしれない。

事件は昼間に起こった。私のジーンズのお尻部分の縫い目が縦に裂けてしまったのだ。セクシーを通り越してただただみっともない。ズボンは一枚しか持ってこなかったので、お尻部分を隠しながら、街まで新しいものを買いに行った。過酷な介護による布地の磨耗だと主張したが、皆からは太りすぎによる全くの自己責任だとして相手にされなかった。さらに母は追い討ちをかけるように、ジーンズはまだまだ使用可能なので、奈良に帰ったらちゃんと裏布を当てて繕ってはくようにとのお達しが出た。

夕方、兄夫婦がやってきた。ゆういちろうの端午の節句を祝う「鯉菓子」というものを持ってきてくれた。私は初めて見るものだったが、長崎ではこの時期特有のお菓子として昔からあるものらしい。ぬめっとした鯉(緋鯉と真鯉のペア)の表面をリアルに再現した餅で、緋鯉のなかには白餡が、真鯉のなかには黒餡が入っている。

本日査読を一本終わらせた(偉い!)。といっても、締め切りに遅れてしまったので、ご迷惑をおかけしたことには違いない。すいませんでした。
5月6日(日)

・ちゃんぽん
・シュウマイ
・トンロンポウ(豚の角煮まん)

母を施設に送りとどけた。あまり機嫌はよくなかった。夫は、雨の中、母をおぶって坂の下まで降りた。私は二人が濡れないよう傘をかざした。ゆういちろうはひとり傘を差して、着かず離れずの距離からがんばれがんばれと先導した。夫は、腰が痛い、明日が不安だと今言っている。

夕食は中華街でとった。おいしゅうございました。明日の帰宅に備えて、長崎の家に帰ってから、水回りを最低限掃除した。

岡山の実家に電話した。まだてんやわんやの状態らしい。祖父がいまだ息子たちを交代で呼びつけて、隣で寝るよう指示を出しているとのこと。
5月7日(月)

・白ワイン
・冷やしそうめん

昨日の飛行機は満席で予約がとれず、今日、奈良に帰ってきた(本日の分は、有給もしくは特別休暇願い届けを出す予定)。出発前はばたばたとしていて、庭の鉢植えに手をかけられず、ええいままよとばかりうちを後にしたが、連休中雨が降ってくれたおかげで、被害はごくごく最小限にとどまった。玄関先の大根草は赤い可憐な花をつけていた。今年は苗購入後4年目にして初めて、カレープラントに蕾がついていた。去年はラムズイヤーやセージに初めて花穂がついたし、花壇のハーブ類もつつじの植え込みも砂利下から生えてくる雑草もこみで、庭は今お花畑状態をかもしている。いい季節になった。

夕食はごくごく簡単に済ませた。明日からの通常業務に備えて、頭を仕事モードに切り替えなくては。間近に迫った重要な原稿の締め切りは、15日に3000語の英語アブストラクト1本と、同じく15日に、領域会議(=年に2回開催される重要な会議)用の発表資料1本となかなかハード。夫婦お互いの締め切りを合わせると、またまたすごいことになっている。でも、私たちには昼間仕事に没頭できる環境が整っており、それはとてもありがたいことだと思っている。私は長生きをして、たくさんの仕事をしておきたい。

長崎の母のからだを拭いているとき、母の青春時代の話になった。父と結婚する前にも、縁談話があったそうだ。一番好きだった人が自分に求婚してくれたとき、若かったせいもありわざと冷たい態度をとって、相手の人が母に嫌われたかと思い結婚をあきらめてしまったという話をしてくれた。誰も知らなかった衝撃の事実。「本当に好いとる人とは添い遂げられんとよ」と言われたときには、否定も肯定もできず、しばらく言葉に窮した。

岡山の祖母はどうだったんだろう。そんな話をする機会はなかったし、その機会はもう二度と来ない。(毎晩夜中の1時ごろまで自分の昔話を息子たちに聞かせる祖父の激しい嘆きぶりからいって、祖父にとっては祖母が最愛の人であるのはきっと間違いないだろう。)

■追記
昨日の日記で豚の角煮まんのことをトンロンポウと書いたが、正しくはトンポウロウでした。やはり、かっこうつけるべきでない。素直に豚の角煮まんとだけ書いていればよかったものを。
5月8日(火)
・白ワイン
・ごはん
・あさりの味噌汁
・刺身の盛り合わせ
・茹でオクラのしょうゆマヨネーズソース
・ポテトサラダ

ポテトサラダは惣菜コーナーで手に入れたものだし、とにかく手抜きの食卓だった。ひさびさの仕事場でエンジンがかかるのに時間がかかったが、淡々、粛々と、たまった事務仕事と原稿に取り掛かりましたとさ。


5月9日(水)
・赤ワイン
・ビーフカレーライス
・ベビーリーフサラダ
・ゆで卵

昨日もそうだが、今日も夏のように暑かった。保育園に急いで迎えにいっている間に汗だくになった。ひとり場違いに息を切らせ、たらたらと汗を流しているのって、いくつになっても結構恥ずかしいものです。

ちっちゃな塊りの牛肉を食べたくなった。明日楽をするために、せっせとカレーを作った。夫の帰りが遅いので、ゆういちろうと二人で食べようと思っていたら、早めに帰ってこれたので、みんなで食べた。全員そろって食事ができるのはありがたいことだ。

職場の同僚たちと話しているうちにたまたま老人の話となり、そのうちの一人のおばあちゃま(御年93歳)に恋人ができたという話題でもちきりになった。お相手はかつて若い頃の知り合いで、最近になってたまたま再会を果たした方らしい。デートはお食事が中心で、場所は京都の料亭など。かっこいい!! 孫にあたる同僚いわく、自分のおばあちゃまは病気にならない病気にかかっているとのこと。

今、30歳の家庭持ちの私がその手の恋の病に冒されたら、なんやかんやと大変なことになり、寿命が縮まるのでご免こうむりたい。家庭の保全を一番に考えているのだ。だからこそ、このサイトを運営しているのだ。が、しかし、人生の目標ができた。90歳を過ぎたら、恋をしよう。私の恋人になりたい方へ。あと60年近く待っていてください。基本的に今の知り合いはその頃ほとんど死んでいるだろう。平安時代のような話で、おもしろいね。
5月10日(木)

・ビーフカレーライス
・冷奴
・茹でオクラのしょうゆマヨネーズソース
・ゆで卵

昨日の暑さとはうってかわり、ちょっとした嵐になった。夜はトレーナー一枚だと寒いほど冷えた。洋服を選ぶのに困る。昨日宣言したとおり、簡単な夕食にした。8時前に食べ始められるのは、我が家では珍しいし、あとあとゆったりとした時間がとれてうれしい。

明日は保育園の遠足があり、朝から弁当づくりをしないといけない。いつもは夫が作ってくれるのだが、早朝から出張に出かけるので、私ひとりでなんとかしないといけない。いつもより早く保育園に送り届けないといけないし、緊張のあまり寝れなくなったらどうしよう。

保育園の同級生の女の子と生協でいっしょになった。その女の子から「ゆういちろうくんのお弁当はなーに?」と聞かれたとき、ゆういちろうは「スプーン!」と即答した。「ちがう、お弁当はなんなの?」とさらに聞かれると「ごはん!!」とさらに元気よく彼は答えた。確かに間違ってはいないが、女の子はむっとして、ちょっと険悪な雰囲気になるし、周りのご婦人方からはにっこり笑われるし、私も仕方なく微笑んでいた。ゆういちろうよ、君は誠実な人柄であるとは思うのだが、ちょっとズレているのだよ。まあ、何が一番に言いたいかというと、おかずを何にしようかと親のほうが頭を悩ませているが、当の本人が一番楽しみにしているのは結局ごはんであることの矛盾を言いたいわけです。
5月11日(金)

・ごはん、カレーソースかけ
・ハンバーグ
・茹でブロッコリー、マヨネーズかけ
・プチトマト
・キムチ

夫、秋田出張で不在。とたんに食事がむちゃくちゃ適当になる。市販の暖めるだけの手作りハンバーグ(意外とおいしい)を用いて、あとは冷蔵庫にあるもので済ませた。

7日と9日の日記にそれぞれ誤りがありました。7日の日記では、3000語の英文アブストラクトの締め切りがあると書きましたが、正しくは2000語でした。9日の日記では、自分の歳を30歳と書きましたが、「30歳」ではなく「30代」の書き間違いです。

自分の仕事はとにかく大変なんだという自意識と、まだまだじゅうぶん若いのよという自意識が重なって、それぞれ大げさにいったり少なめに申告したりと無意識の間違いを犯したようです。気付かせてくれた方々、どうもありがとうございました。この日記に、意識的に事実を曲げて表現したことはまだ一度もないのですが、無意識の間違いなら微妙なレベルを入れるとたくさんあるのかもしれません。無意識ゆえ自分では気付きにくいのが、難点です。でも自分でいうのも何ですが、そんなに罪のある間違いではない、かわいらしいレベルにあると思うので、適当に大目に差っぴいてください。

それにしても、最近全然休みらしい休みをとってなかったので、明日はゆっくり休もうっと。来週とさ来週の週末は両方とも出張が入って休めないので、とにかく今週末は頭をからっぽにしよう。
5月12日(土)

・ごはん
・かぼちゃのポタージュスープ
・ビーフステーキ、しょうゆトマトソース
・ベビーリーフとマッシュルームのサラダ

肉をレアで食べたくなった。たまにそういう気分になるのだが、今日はそういう気分だった。

夫、秋田より帰宅。疲れたとのこと、顔色が悪い。秋田は人があまりいなくて寒かったらしい。去年のフィールドワークで北海道に行ったとき、富良野の駅前のさびれ加減を目の当たりにし、うら寂しい気分になってしまったときのことを思い出した。もし自分が何か犯罪を犯したとして、北に逃げたいと思うか、南に逃げたいと思うかで、自分のルーツが北方系か南方系かが分かるといっている人がいたが、私たち夫婦は確実に南に逃げたい派だ。自然が暖かく見守ってくれている感じがするんだもん。でも、即答で「北に逃げたい、南は絶対にいや」という友人もおり、人それぞれ好みは別れるのだなあと妙に感心したことがある。

うれしいニュースがあった。「え、本当ですか?本当ですか?」としつこく聞き返したいくらいだ。これからどうなっていくのか楽しみだなあ。
5月13日(日)

・日本酒
・ごはん
・なめこと豆腐の味噌汁
・刺身の盛り合わせ
・焼きなす
・茹でもやし、わさびドレッシング和え
・納豆
・キムチ

昨日とはうってかわって、脂っけのない食事にした。日によって好みが全然違う。秋田土産の日本酒がとてもおいしかった。昼は同じく秋田土産の稲庭うどんを食べた。梅干とねぎとわかめだけを乗せたあっさりタイプのうどんだった。讃岐も五島も稲庭も全部それぞれ特徴があって、それぞれおいしくて、どちらが一番の好みか決められない。洋食と和食のどちらが好きかと聞かれて、即答できないのと同じくらい、うどんに関しても優柔不断になってしまう。

そばかうどんかと問われれば、うどん派だと答える。でもこれは西の出身なので、たんに心からおいしいと思える蕎麦に出会っていないだけのような気もしている。うどんは家庭でもそこそこおいしいのが食べられるけど、蕎麦は関東のお店で食べるのがやっぱりおいしいと思うからだ。

洗濯をしたり、布団を干したり、車を洗ったり、花壇の花を植えたり、日曜日らしいことを満喫した。ひさびさの休みでリフレッシュしたなあ、早めにご飯も食べたし、ゆっくり寝るかと思っていたら、夫がせっかく時間があるのでクリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』をDVDで見ようという提案があり、実行した。全くデートに向かない映画だ。ロマンチックのかけらもない。誰も事態の全貌を把握しておらず、局所的に行動するしかなく、銃声や爆音が延々となり響き、人がどんどん死んでいくのだ。硫黄島ツアーに行きたいと思う人の気がしれない。

お迎えが来る前に、やれることはやっておきたい、言いたいことは伝えておきたいという監督の執念が前面に出ていた映画だと思う。年をとると自由になれるんだな。将来私も自由な年寄りになりたいな。なんてこったい眠いのに寝れなくなってしまったではないか。
5月14日(月)

・日本酒
・ごはん
・あさりの味噌汁
・鶏肉の酢照り焼き
・ほうれん草のおひたし
・かぼちゃとピーマンの煮物

今日も和食モードだった。明日締め切りだというのに職場で呆けてしまった分、何かを取り戻すかのように食事作りに集中した。今この段階で最低限やっておくべきことはやったのだが、その後、肝心の資料作りに取り掛かることがどうしてもできずに、英語のヒアリングをやったり、のらりくらりと過ごしたのだった。

まあ、言い訳をさせてもらえれば、国民投票法(憲法改正手続き法)が昼に成立してしまったことで、頭のなかがもやもやしてしまったのだ。自分らが「ある人々」から将棋の駒もしくはゴミとしてしか思われていないことに気付かされることなく、いいように戦意高揚させられて、今までの無気力が信じられないくらい「やる気」になってしまう若者たちがこれから一定割合で出てくるのかと思うと、その、巧妙に人を扱おうとする「ある人々」のことを憎む。アメリカの下級兵が自国からどんなにひどい扱いを受けてきたのか、日本の若者たちにもっと知らせるべきだ。

(でも、アメリカが戦争をするおかげで、私の尊敬する大学院の先輩が2度目の肝臓移植をアメリカで受けることができたのも事実だ。。。移植前先輩の口からその話を聞いたとき、どうしていいか分からない複雑な気分になった。もちろん最も複雑な気分でいるのは先輩本人であったはずなのだが。)

前市長が銃弾に倒れた長崎でも、「強いナガサキ」を訴える若い候補者が当選した。2013年には、無人潜水艇作りの予算が国から支出されることが決まったみたいだし、落ち目だった長崎の三菱重工(戦前は三菱兵器工場と呼ばれていた)も盛り返すのかもしれない。戦争って、儲かる人にはとても儲かるんだ。でも、そんなに儲けて楽しいか? とはいえこれで観光資源に頼るしかなかった長崎の町もひとまず安泰だ。でも、その兵器工場があったおかげで、原爆を落とされたのも歴史的事実だ。

野党は野党で、なんかものすごくかっこ悪い。護憲派=ださいというイメージが確実に作られていると思う。そりゃ反動で自民党をかっこいいと思う人も出てくるわさ。どうすればいいのかな。とにかく考えて、ひっそりと行動に移していこう。

とまあ、ぐるぐると頭のなかが回っていたし、今も回っている。バラの香水でもたっぷり浴びて、むりやりにでも寝よう。
5月18日(金)

・日本酒
・ごはん
・しゃぶしゃぶ

今日は5年目の入籍記念日で(結婚記念日とは別)、ごちそうにしようということで、ちょっとしたいい肉を使ってしゃぶしゃぶにした。肉はごまだれで野菜はポン酢でと、交互に食べていったら、あれよあれよという間にどんどんいけました。

それにしても、ひさびさの更新だ。今週はどどどどスランプで原稿が全然書けずに、気分的には七転八倒していた。気持ちだけ焦っているのに、全然取り掛かりたくないといういや〜なモードに入ってしまったのだった。そのせいか、そのあいだ世間を騒がせているニュースをテレビで見ては世を憂いたり呪ったり、あげくにヒステリーを起こして激しい夫婦喧嘩をしたり、愚行を繰り返していたのだ。いいニュースもあったのに。。。とくに悲惨な事件を報道するテレビの現場のリポーターの唇の端がうれしそうにしているのがとにかく気に入らなかった。どういう神経をしているのだろう。特ダネうれしいんだね。そりゃあよかったね。

とはいえ、おかげさまで2つの原稿もめどが立ち、今日はためにためていたザ・事務処理を思い切って済ませ、意外とすっきりした気分でいる。数日前のことをすっかり忘れ、これからもよろしくねと入籍記念日を共に祝う自分たちもいる。バカの癇癪持ちとはまさに今週の私のことを言うのではないか。
5月19日(土)

・赤ワイン
・チキンカレーライス
・ベビーリーフサラダ
・ゆで卵

午前中は、保育園の保護者総会と保育参観に出席した。ゆういちろうは、自分でものを考え、主張しているように見えた。偉いぞ。先生が示した見本をそのまままねず、好きな食べ物はぶどうと言い、鯉のぼりの貼り絵では背びれのついた出目金を作った。出目金は以前ホームセンターのペットショップで見つけたとき、衝撃を受けた魚のひとつなんだと思う。

午後は、夫に庭で植物とゆういちろうの写真を撮ってもらい、それぞれここここに載せた。植物の造形の面白さと、人が何かを発見し、それをじっと見つめている様が表現されていると思う。息子の写真には、なめくじを発見したと思い、本人息を詰めて静かに興奮していたのだが、実際よくよく見てみると、土から飛び出た蘭の根だったことが分かるという一連の時の流れが閉じ込められている。

写真を撮ったときはうす雲りだったが、ほどなくして、どしゃぶりに見舞われた。花が雨に打たれて泥だらけになる前でよかった。それにしても天気がころころ変わる。どしゃぶり後、今度は、きらきらと晴天に恵まれたのだった。月並みな言い回しだが、木々の葉の瑞々しいことに心を打たれた。

5ヶ月ぶりに散髪をした。帰宅後はすっきりした気分で庭の植物の切り戻しをおこなった。蒸れると大変だからだ。そのあいだ夫が夕食を作ってくれた。今うちのなかには切り戻した花がどっさりと活けてあって、気持ちよいよ。
5月20日(日)

・チキンカレーライス
・ベビーリーフサラダ
・ゆで卵

東京日帰り出張。新国立劇場に日中共同プロジェクト公演『下周村』(作・演出:平田オリザ/李六乙)を観にいった。いつも東京出張のときにはここぞとばかり観れるだけ詰め込むのだが(私にとってそれはもう至福のとき)、今回は他にも観たかった作品はあったけど時間が合わず、『下周村』1作品のみ。朝9時前に家を出て、夜8時前には帰ってこれるのだから、普段の仕事場にいった感覚に近い。京都と東京は近いんだな。

作品は、中国色が濃厚で、平田オリザ色は部分的に使われている感じのする舞台だった。韓国やフランスとの合作のときには感じなかった、この分かり合えていない感覚って何なんだろうと思いながらの観劇となった。芸術家どうしの間でもそうなんだから、市民感覚のズレは相当大きいに違いない。

夕食は、昨日の続き。カレーって主夫の味方だわ。
2日分まとめて更新!

5月21日(月)
・サラダ寿司
・なめこと豆腐の味噌汁
・焼きなす
・焼きとうもろこし
・白菜の漬け物

霧消に実家の母がよく作ってくれた「サラダ寿司」が食べたくなり、おしえてもらったレシピどおりに作った。砂糖ひかえめのあっさり酢飯に、具としてほぐした焼き鮭と塩もみきゅうりを入れ(シンプル!)、仕上げに炒りゴマをかけるというものだ。うちでも家族全員が好きな寿司だ。経済的な点でも、よろしい。

昨日ゆういちろうを寝かせつけようと寝室に入ったら、とっくに夫はいびきをかいて寝ていて、ゆういちろうから「しい〜っ」と言われた。さあさあ、はよ寝んかい、こちとら日記と書くという大事な大人の時間があるのさと思いながら、寝かせつけるつもりだったのだが、ほとんどその後の記憶がない。私もゆういちろうより先に寝たのかもしれない。


5月22日(火)
・フカひれあんかけチャーハン等

ひさびさの外食中華。大皿を頼んでみんなで取り分けるのではなく、前菜一品のほかに、めいめいがメインを一品頼むスタイルにした。私が頼んだフカひれあんかけチャーハンは、結局ゆういちろうに3分の1食べられた。でも、もう人の親なので私は怒らないのである。

仕事は遅々として進んでいる感じかな。データにどっぷりあたれるのは、細かい作業でほんといい加減いやになることもあるが、不安と期待が入り混じった新鮮な気分で過ごせるのも確かである。研究者にとって、自分でデータにあたっているのが老け込まない秘訣のような気がする。エフォート率100%で自分の個人研究に時間を捧げられる今だからこそできることなので、最大限この気分を味わおうと思う。

さて、研究期間の切れた2年後の今頃はどうしてるのかな。まだな〜んにも決まっていない。そりゃもちろん無職になるのだけは避けたいさ。これまた若手の特権といおうか、不安と期待の入り混じった気分いっぱいである。
2日分まとめて更新!

5月23日(水)
・ごはん
・ミネストローネ
・かれいとじゃがいものオーブン焼き、ローズマリー風味
・茹でもやしのわさびドレッシングがけ

野菜を大量に食べたくなって作った料理だ。スープにすると、ブロッコリーの茎の部分も捨てずに食べる気が出て、精神衛生上も助かる。ミネストローネはゆういちろうの大好物でもある。

保育園のおかあさんたちと子どもの寝かせつけに関する話題となったことがあり、みなそれぞれの家庭で「流儀」があって面白いと思ったことがあった。ある人は、子どもに内緒で携帯電話から自分のうちに電話をかけるという裏技を使い、10時になると「10時のおばけ」が電話をかけてくると教え込んで、それまでに必ずふとんに入るようしつけているそうだ。うちは親の私がおばけネタが苦手なのでその手は使えず、とにかくいったん家族全員でおやすみなさ〜いといって布団に入り、子どもが寝付いてから自分たちだけ起きて、日記を書いたり、残った仕事をしたりしている。ただ、この日も寝かせつけるつもりだったのに、布団に入ってから後の記憶が全くない。自分が不眠状態のときは、すぐ寝付ける奴はバカなんじゃないかと腹立たしく思うのだが、そういう意味ではバカのほうがよほど幸せな気がする。


5月24日(木)
・白ワイン
・宅配ピザ
・昨日の残りのミネストローネ

仕事に根詰めすぎたのか、お腹がすきすぎて、夫と私二人とも料理を作る気力が残ってなく、宅配ピザにした。今日注文したのは、生のバジルの葉っぱが添えられていて、自分でちぎって散らすタイプだった。最近の宅配ピザは、私がかつて大学生だった頃と比べて格段においしくなっていると思う。昔じゃ考えられない。

今やっている仕事は、稽古場で出された指示の内容を分類していく作業だ。平田オリザさんは新作を作るにあたって、全部で3800個以上の指示を出している。一つずつ積み上げなければならないので、気の遠くなる数である。やっと3分の1ほど評定し終えた。ちなみに以前お世話になった太田省吾さんの稽古では、3時間くらい稽古して、最後にたった一言「うん。今日はこれで終わろう」とだけ発して、おしまいになったこともある。とても寡黙な稽古であった(劇自体ももともと無言劇だったし)。どちらが偉いとか偉くないとかそんな問題ではないのだ。こんなふうに作り手がそれぞれ極端に個性的であればあるほど、私はうれしくなる。きっと中途半端なのが苦手なんだな。
5月25日(金)

・白ワイン
・野菜のコンソメスープ
・あさりのスパゲティ
・たらのムニエル

夫が指定して、私が作った料理だ。最近「洋」が続いている。私たちは何人だろうか。

職場では、来客あり。話を伺うに波乱万丈な方でして、かわいらしいお弟子さんを連れてこられて、いやー、ものすごく楽しいひとときを過ごした。やっぱり研究者って、ヘンタイとさわやかを絶妙にミックスさせた物腰をもってないとだめなのね。
3日分まとめて更新!

5月26日(土)
・懇親会メニュー

1年に2回開催される領域会議がこの日埼玉で開かれた。さきがけ研究員にとって領域長やアドヴァイザーの先生方を前にして進捗状況を報告するどきどきものの会議である。ところが私は2番目の発表だというのに、それに遅刻してしまった。大崎から湘南新宿ラインにのって一気に池袋に行くつもりが反対側の電車に乗って川崎まで行ってしまったのだ。品川駅に新幹線で到着してから1時間後に、もとの品川駅に戻ってきたときには私はいったい何をやっているんだろうと目にうっすらと涙が浮かんだ。以前も、有楽町マリオンで会議があったとき、日比谷シャンテに行ってしまい、遅刻したことがあった。中途半端な知識がいかに有害であるか、自分が自分自身に証拠をつきつけている出来事だった。

発表後のコメントでは、「とにかくこのまま突っ走れ」という内容のアドヴァイスをいただいた。暴走運転中で、自分でも少し怖くなりかけているときだったので、「えっ、もっとスピード出していいの?!」という感じだった。基本的にお調子者なのである、これ以上調子に乗ってもいいのだろうか。いったい私はどこに行ってしまうのかよく分からないが、あと2年間思う存分このスリルを味わおうと思う。

懇親会でもたくさん話をした。前日と引き続き、頭の回転の速い人々と会話すると、脳をマッサージしてもらっている感じがして、心地よい覚醒と疲れがいっぺんに来る。


5月27日(日)
・赤ワイン
・パン
・かぼちゃのポタージュスープ
・ポークソテー、たっぷりきのこソース
・マッシュポテト
・ベビーリーフとマッシュルームのサラダ

この日も、朝から夕方までびっちり会議。缶詰。他の研究員の発表を聞くのは大変ためになるが、専門外の事柄がたくさんでてくるので、へろへろになった。帰りの新幹線は、関西の大学にお勤めの3期生の方とご一緒した(ちなみに私は2期生)。人に安心感を与える方で、私はすっかり「なついて」しまった。最後のほうは、私はなんでこの人に「なついて」いるのだろうかと一種の感動すら覚えながら、話していた。同世代で同性で異分野の研究者とこのように出会えるのはラッキーだ。それにしても最近人との付き合い方が、喧嘩するか仲良くするかのどちらかだ。適当なお付き合いというものがない。このままだとちょっと動物チックだから、快不快以外の理性というものを持ちたいものだ。

夫が料理プラスいいワインを用意して待っていてくれた。翌28日は私の誕生日だが、帰りが遅くなるので、先にお祝いをしようというサプライズだった。ありがとうございます。おいしゅうございました。


5月28日(月)
・ごはん
・大根とプチトマトの澄まし汁
・馬刺し
・茹でもやし、わさびドレッシングかけ

5月28日は私の誕生日である。34年前に生まれた。思いがけない人からお祝いのメッセージが届いた。懐かしいなあ。元気かな。夕飯には実家から送られてきた馬刺しを食べた。熊本の栗山牧場のものだ。肉が一切苦手な人でも、ここの馬刺しだけは食べられるという人を少なくとも2人は知っている。

以前いわゆるホームパーティ(私の言語感覚では、このコトバはちょっと恥ずかしいのだ)で馬刺しを出したときも、大好評だった。ゆえに、今回も2ブロックは冷凍した。ひさびさにお客さんを呼んで、新しい料理にも挑戦してみたいな。別に高価な材料を使って、凝った料理を作りたいとかそういうのではなく、いつものこの素材もこう料理すればこんなに変わるんだという意味での「発見」というか「驚き」が欲しいのだ。最近なんだか食がマンネリ化していて、退屈だ。惰性でものを食べているなんて、それは食べ物にとっても失礼な話だろう。
3日分まとめて更新

5月29日(火)
・ごはん
・しじみの味噌汁
・鶏の酢照り焼き
・茹でオクラのしょうゆマヨネーズソース
・納豆
・冷奴

5月30日(水)
・ごはん
・たまねぎとわかめの味噌汁
・焼き塩さば、たっぷり大根おろし添え
・茹でオクラのしょうゆマヨネーズソース
・キムチ
・ちりめんじゃこ

5月31日(木)
・白ワイン
・ごはん
・たまねぎとわかめの味噌汁
・豚の冷しゃぶ
・茹でもやし、わさびドレッシングかけ
・キムチ
・ちりめんじゃこ

たぶん、上の献立内容で合っていると思う。3日前に何を食べたか、結構忘れているもんだな。将来のボケ防止のためにも、記録を残す癖をつけておこう。

この3日間は大変だった。夫がぎっくり腰になってその対応に追われたのだ。「うぎゅ〜いてててて」と動くたびに一瞬笑い声にもとれる変な声を出すのだ。もしかして笑ってほしいのかと思わせるひょうきんな声で。でも、思わず私が笑うと、「これはあまりに痛くて笑うしかない「イタ笑い」であって、笑いたくて笑っているのではない。おまえはなにも分かっていない、ひどい」と、本人はものすごく怒るのだった。家のなかは決して明るくもなければ暗くもない不可思議かつ不条理な雰囲気が漂っていた。

今はだいぶよくなってきていて、少し希望が見えてきた(私まで有給をとった29日とは比べものにならない)。家族のひとりでも機能不全に陥ると急に回らなくなる。ぎりぎりのバランスで成り立っているなあ。