2007年7月
7月1日(日)
・赤ワイン
・ニョッキのトマトクリームソース
・グリーンサラダ
いよいよ会議が始まった。学生時代から知り合いだった人々とひさびさに会えた。オープニングパーティでは、私はにこにこもじもじしてしまった。でもドイツ出身のアメリカ在沖の数学者の方とずっと一緒にいた。英語でコミュニケーションするためには"Just do it"するしかないわよと言われた。このしり込み感覚をなんとかしたいぜよ。パーティ後小腹が空いたので、ホテル近くのイタリアンで少量の食事を取った。
7月2日(月)
・ビール
・茹で野菜、焼き野菜のバーニャカウダソース
・ソーセージ&シュークルート
・スパゲティ・ペスカトーレ
・マグロのソテー、和風ソース
会議会場の横浜赤レンガ倉庫にあるビール屋で夫とふたりで食事した。出身研究室が主催する国際会議なので、知り合いはほとんどスタッフをやっていて(本当にご苦労さまです)、みな忙しく立ち働いているのだ。「ねえねえ久しぶりだから飲みに行こうよ」という雰囲気ではない。そんなことをしたらだめだなと自粛している。
私は今回参加費を支払った「お客さん」で、トークも全部聞くことが出来る。が、残念なことに、ほとんど全く聞き取れない。ショックである。かつてエディンバラやダブリンに2ヶ月ほど滞在したことがあるが、そのときは帰国便の飛行機のなかの映画(英語)の会話がきれいに聞き取れるだけのヒアリング能力があった。
どうしたものか。日頃、国際的な電気通信の基礎技術を研究する所で働いていて、たくさんの外国人に囲まれているのに何事だ。日本語の得意な外国人としか付き合っていないというツケが今回ってきている。そもそも最近日本で開かれる国際会議にしか出ていない。この保守性は何事か。
ポスターセッションでは、専門に関するいい情報をもらった。あと、そうだそうだ、セラミックタイルのテクスチャーデザインをやっている人がわざわざ出身研究室に留学しにきていて(日本に来たかったらしい)、「なぜあなたはここにいるのか」「何をしたいのか」としばし話し込んだ。私の院生時代とは全然違う世界が広がっているようだ。
7月3日(火)
・赤ワイン
・居酒屋でいろいろと
会議3日目にして、ようやく英語が少しは聞き取れるようになってきた。ほっとした。明日と明後日、ポスター発表があるのだが、最悪の事態は避けれそうだ。
エコロジカルセラピーを実施していらっしゃる作業療法士のNさんの口頭発表後、実際にマッサージしてもらったところ、背筋が伸び、足が細くなり(ほんとよ)、すこぶる体が軽くなった。すごい! さすってもらうだけなのに、なぜこんなに効き目があるんだろう。
実家に電話して、ゆういちろうとも電話口で話した。明るくはずんだ声。よほど岡山ライフを満喫しているようだ。興奮した口調で、畑でいんげん豆やらきゅうりやらトマトやらをもぎ取ったことを報告してくれた。すっかり「都会の子」になっているなあ。私の子どものときは畑仕事が楽しいとは教育されなかったぞ。
7月4日(水)
・日本酒
・握り寿司等
無事ポスター発表の初日があけた。とりわけ今回は共著の夫に感謝を捧げずにはおれない。2つのポスターを同時に発表しなければならなくなったので、ひとりでは絶対に回せないと判断し、奈良から拉致、もとい同行してもらったのだ。ポスターそれ自体の準備も遅れ、ホテルにてポスターの図をきれいに作成してもらったり、予想したとおりプレゼンの練習も事前に全然できなかったので、ポスターセッション前のトークをつぶして直前練習に付き合ってもらった。普通はこういうのはみっともないので、人知れずやるものだとは思うのだが、そんなことを言っている場合ではなかったので、堂々と練習。面の皮が厚くなったものよ。でもまあ、英語が得意でないのなら、努力してなんとかそれを補うしかない。発表者の最低限のたしなみだからな。いずれにせよ、我が夫にこれから足を向けて寝れない。
そんなこんなで3時間半みっちりと日本語と英語を交代でずっとしゃべり続けたので、顎の関節が痛くなってしまった。英語はもちろん、日本語でももっとちゃんと説明できたはずなのにと思うところがたくさんあった。これが今の実力である。せめて次の発表の機会に生かせればと思う。話を聞いてくださった方々に感謝。
終わった瞬間、お腹が空いたと会場を飛び出し、ホテルに戻って昨日からチェックしておいたホテル近くの寿司屋に入った。で、後から気付いたが、今晩はカクテルパーティの日だったのだ! 一食分もったいないことをした。それに社交の機会をまたひとつ逃した。というか、明日は他の方のポスター発表を聞きに行こう。もったいないもん。
トークでは大御所の先生が自説を戦わせているのを聞けてラッキーだった。大事なことを話していた。後日、会議のまとめをここにちゃんと書き留めておこう。
(昨日までの自分と違って、発表が終わったとたんに急に前向きになっている。自分でもおかしい。子どもっぽい性格をしていると思う)
7月5日(木)
・ビール&日本酒
・居酒屋でいろいろと
ポスター発表2日目。他の方のポスターを聞きに行った。2人の方と話し込んで、時間がほとんどなくなった。他にもたくさん聞きたかったのがあったのだが、あっという間に時間がたってしまった。その後、慌てて戻って自分のポスターもピンポイントで説明した。演じ手ならではのグッドコメントをもらう。ありがとう、Sさん。
奈良の鉢植えのことが気になり始めた。今日は関西方面も晴れ渡ったそうだ。大丈夫かなあ。
3日分まとめて更新!
7月6日(金)
・バンケットごはん
会議終了直後は、スタッフに混じってしばし会場片付けのお手伝いして、一応形だけの裏方参加気分を味わった。その後、スタッフのひとり東大のKさんと夕方ハッピーアワー(?)のビールを飲んだ。Kさんはビールではなくパフェにしていた。Kさんは今回のポスター発表で、HKBモデルをもとに熟達に関する運動モデルを提唱されていて、非常に参考になった。
最終日の夕食はホテル・ニューグランドでバンケットだった。ここ数年全く縁のなかったヨーロピアンクラッシックな内装。ドレスアップした人々もいるなかで、簡素な格好で参加した。ずっと着席ではなく、オープニング前とデザートの時間がビュッフェ形式だったのがよかった。ふらふら回遊できるのがよい。
この日おこなわれたエコロジカルロボティクスのシンポジウムで、ロバート・ショウ先生がシンプルモデルを提唱していたが、ロボット工学者である夫が「どうも静的なモデルに思えるんですが」と質問したところ、非常に丁寧な返事をもらえた。自分の発言に対して、決して人をはぐらかすことなく最後まで責任を持って説明するという、学者のありうべき態度を教えられた。
バンケット後は、「娘」時代からお世話になっている現・早稲田大学のMさん、佐々木研で学生時代を共にしたSさん(f)、直接重ならないが佐々木研の後輩にあたるSさん(m)のスタッフの方たちを誘って、関内のバーに流れた。いろんなことを話し込んだ。トーンとしては、「次はどうするべ?」という前向きなものだった(と思う。途中から急に眠くなって話の半分も理解していない)。
それにしても英語のコミュニケーションスキルがもっと上がれば、もっともっと楽しめたのになと、正直強く、反省しきりだ。とにかく外国の研究者を前にすると、泣きそうな気分でもじもじしていた。でもそのハンディキャップを差し引いても、今回参加してたくさん得るものがあった。学会体験を面白くするかつまらないものにするかは本当に自分のモチベーションにかかっていると思う今日この頃。院生の頃は生意気にも「あの学会は退屈だ」などとしょちゅう口にしていたが、そういうのって他でもなく自分が退屈な奴だったんだなと、最近になって思うのであった。
7月7日(土)
・ごはん
・鯛の味噌汁
・あらまさの煮付け
・きゅうりとじゃこの酢の物
・焼きなす
・インゲン豆の胡麻和え
・トマトときゅうりの糠漬け
横浜のホテルをチェックアウトして、ゆういちろうをあずけている実家に移動した。家に着くや、畑で野菜を採った。それがすぐに夕食に出てくる幸せ。父の釣った魚が、夕食にのぼる幸せ。あっさりした家庭の和食に飢えていたのを実感した。
この日の個人的ビッグニュース。幼馴染のKちゃんと偶然家のそばで再会したのだった。Kちゃんは岡山市内に住んでいるのだけど、最近土曜には車の練習も兼ねて、実家に帰っているというではないか。お互い4歳の息子を連れている。近所の週末園庭開放している幼稚園に行き、子どもは子どもで遊びながら、Kちゃんと私は、昔の私たちを見てるようだね、まさか私たちが子どもを持つようになるとは信じられないねと言いながら近況を報告しあった。
Kちゃんとは子どもの頃ずっと野山をかけめぐった仲。二人とも全くのアウトドア派だった。その後、Kちゃんはそういえばこんなことをして遊んだことがあるとメールをくれた(以下、引用)。すっかり忘れていたよ。子どもの行動範囲って意外に広いのね。
・ 一緒に川に遊びに行って、ダックスフンド(迷い犬?)を連れて帰ったこと
・ 野良猫について、中学校の裏山をかなり登って行ったこと(山2つ程)
・ 二人で、うちのおばあちゃんの友達の家(八川)まで1時間くらいかけて
313号線をずっと歩いて行ったこと
・ 幼稚園の園庭で美紀ちゃんのお父さんと美紀ちゃんと信君とソフトボール
をしたこと
7月8日(日)
・トマトの冷製スパゲティ
・ミネストローネ
・生ハムとベビーリーフのサラダ
奈良に帰ってきた。鉢植えはすべて無事だった。植物の生命力は強い。夕食は、とにかく野菜をたっぷり食べたいと夫は主張し、献立も考えてくれていた。ミネストローネは夫、あとは私が作った。生ハムは建築家の奥村ご夫妻からいただいたもの。
少しずつ、日常に戻さないといけない。けど、なかなか慣れない。。。
7月9日(月)
・ごはん
・昨日の残りのミネストローネ
・鱈とあさりとプチトマトのオーブン焼き
・オクラのしょうゆマヨネーズソース
・目玉焼き
目玉焼きはゆうちろうが作った。あとは適当に作った献立。
会議終了後あたりから体がだるーく重ーくなり、今日の昼間がそのピークだった。起きても寝てもだめ。家でできる仕事をしようと振替休日をとったのだが、無理せず静養につとめた。夜から気分がよくなった。
保育園からの帰宅後の親子の会話。「お母さん、今しんどいのよ」「どこ?お腹が痛いの?」「肩が重い」「こっち?」「ううん、両方」「大丈夫よ、ゆういちろうがついてるから。大丈夫」と私の両肩を自分の両手でそっと押さえてくれたのだった。わが子よ。大人になってからの人生において、ここまで直接的に優しいことばをかけてくれた人はいるだろうか。これで体がふっと軽くなる感じがするのだから不思議だ。子どもパワー。
2日分まとめて更新!
7月10日(火)
・白ワイン
・冷天おろしうどん
・なめこと豆腐の味噌汁
・ほうれん草の白和え
・トマトのサラダ、しょうゆクミン風味
夫の強い希望のもと組み立てられた献立。ぶっかけうどんつゆ、白和え用ペースト、天ぷら盛り合わせなど、いずれも市販の「素」を利用して簡単に作れるものばかりだった。天ぷら以外は脂っけなく、さっぱり食べられるものばかりだ。
トマトのサラダは、食べやすい大きさに適当に刻んだトマトに、しょうゆ、酢、砂糖、粉末クミンを適量入れて混ぜるだけのお手軽な一品である。敬愛する佐藤絵子さんの名著『フランス人の贅沢な節約生活』のなかにソースとして紹介されたレシピを微妙にアレンジした。和にも洋にも合う箸休め的サラダだ。
この日は、ラッキーなことに様々な名言に出会えた。最後に聞いたものを書き残しておこう。
「明るい不安を持ち続けてやっていくしかないでしょう」。
水木しげる氏が尊敬をこめて呼ぶ「土人」になれればいいのだが、ひどいニュースを間接的に知りうることとなるこの社会で生きていく限り、根っからの明るい表情や気分で暮らしていくことは難しいと思う。空元気という手もあるが、それはどこか虚しいし、かといって苦虫を噛み潰したような表情を周囲に撒き散らすのもなあ、優しい人々に囲まれているからこそできるワザだ。だけれども明るい不安なら私にでも持てるかな、と、淡い希望をもたらすことばだと思う。
悲観的なダークサイドに陥るのは、結局は、元も子もないことだという自分への戒めを込めて。
7月11日(水)
・白ワイン
・ごはん
・たまねぎとじゃがいもの味噌汁
・カレイの煮付け
・人参のオーブン焼き、ハーブ風味
・納豆
たまに人参を馬のようにばくばくと食べたくなるときがあって、そういうときに作るのが人参のオーブン焼きだ。長尾智子さんの『ベジマニア』からいただいたアイデアで、ざっくり3等分した人参に、好みの乾燥ハーブをちらし、塩、こしょう、オリーブオイルを少量たらして180度のオーブンで30〜40分焼くというもの。楽よ。夫は「お菓子みたいだね」と言ったように、人参が勝手に自分で甘くなってくれる。ゆういちろうもぱくついた。本日は人参3本完食した。馬の気分が少しは分かるかな?
夏休みの旅程が決まった。沖縄の粟国島(離島)に行くことを毎年恒例行事としていたが、今年は気分を変えて長崎の五島(離島)に行くことにした。夫が予約してくれたのだが、なんと沖縄に行くよりも不便だということ。飛行機の予約は、空港デスクまで出向くかJTBなど大手旅行代理店を通すしかないそうだ。宿もネット予約できるところは非常に限られている。さすがオラショの島。キリシタン弾圧のときは、魔鏡(見た目普通の鏡だが、壁に光を反射させるとマリア像や十字架の像などを結ぶ)を作って抵抗した歴史のある島だ。魚や五島うどん、五島牛も私たちを待っている。待ち遠しいなあ、夏休み。
7月12日(木)
・ごはん
・あさりの味噌汁
・焼き塩鯖、たっぷり大根おろし添え
・かぼちゃとオクラとピーマンの煮物
・茹でもやし、わさびドレッシングかけ
・白菜の浅漬け
夫が作ってくれた。自分で作るよりも、やっぱり誰かが作ってくれたものを食べるほうが断然おいしく感じる!
大家さんの計らいで、借家の庭木の剪定がおこなわれた。伸び放題だった雑草も全部抜き取られ、土肌があらわになっていた。全体になんだか寒そうなほど、すっきりさっぱりした。下草の存在って大きいと思った。新しく家を建てるときは、びっしり生やそう。私も髪をばさっと短く切り詰めたくなったよ(カリアゲ?)。
奥村ご夫妻から、新しい家の設計案(第4案)が送られてきた。It's perfect!! これから模型のほうも送られてくるそうなのだが、図面の段階で既にとても気に入っている。かけなくていいところにはお金をなるべくかけない方針を貫いてくださって、私たちは予算的にも助かっている。天井の素材の多くはベニヤになる予定だそうだ。ご夫妻の事務所の天井もベニヤで、思いのほか感じがよい。吉村順三氏の高弟だった奥村先生いわく、これで「お、吉村順三だ」となるらしい。建築の世界の価値観っておもしろいと思う。
ここから情報を得て、昼休みに「まこという名の不思議顔の猫」という面白いブログを読み耽った。見れば見るほど魅力的。7月1日の日記なんか、ちょっとしたホラーの世界でしょ。
7月13日(金)
・ごはん
・焼肉+サラダ菜
・焼き野菜
・トマトのサラダ、しょうゆクミン風味
実家から郵パックで送られてきた焼肉用の肉をそのまま使って焼肉にした。肉を食べると「満足」する。なんでだろう。ゆういちろうも肉大好きだ。気持ちよい食べっぷり。
昔牛を飼っていた親戚がいて、子どもの頃遊びに行ったら、「人間の女を嫌う牛だ」と紹介された。自分は子どもだから大丈夫だろうとその牝牛に近づいたら、むちゃくちゃ憤った顔で白めを剥いて暴れ始め、すっかりびびってしまったことがある。牛は大きくてこわいよ。あんなに澄んだお目めをしているのに。怒ったらとにかく怖い。今日ランチの帰り道、そんな話をしかけたら、牛がいること自体で驚かれてしまった。
そんなもんかなと思って、帰宅後夫に話してみたら、小学校低学年のとき住んでいた三川内の町にも牛がいて、小学校へは牛の前を通らないと行けなかったそうで、とても怖かったとのこと。
本日のまとめ。生きている牛と食べる牛肉とのあいだには隔たりがある。
7月18日(水)
・宅配ピザ
ひさびさの更新。。。。
7月13日金曜日の午後5時に、院生のときに大変お世話になった太田省吾さんが亡くなった。訃報を知ったのは、翌日の土曜早朝だった。それ以来現実が非現実に思える感じでぼーっと過ごしてきた。
いつか私も太田さんに認めてもらうことができたらと思って仕事をしてきた。多少のことでは全くくじけることがなかったのも、「いつか私も」と思ってきたからだった。なんのお返しもできないうちにお亡くなりになるなんて、思ってもみなかった。私はあと20年は生きてくださると勝手に思い込んでいた。
私のなかで太田さんほどぶれない方はいなかった。人に対して誠実で、いつも正直で、信頼できるものの分かった大人はいないのではないか。とても残念だ。本当に残念だ。
私と夫を結びつけたきっかけを作ったのも実は太田省吾さんだった。せめてもの救いは、生前にそれを夫婦揃って伝えることができたことだ。でも、もっともっとお話したかった。
7月19日(木)
・フレンチディナー
蒸し蒸しした日だった。うちでご飯を作る気力がなく、夕ご飯を外食することにした。ゆういちろうはナイフとフォークを自分で操れるようになったことが誇らしいらしく、ものすごく得意げに肉を口に入れていた。で、例によって例のごとく、デザートのときには砂糖をなめるのが好きなのだった。確かにそのまんまの直球勝負の味だわね。
月曜に、この前の国際会議で知り合った研究者の京都旅行にお付き合いした。京都出身の友人にも助っ人を頼んで(多謝!)、祇園祭の宵山を案内してもらった。ものすごい人だった。私にとっても祇園祭は初めてだったので、すっかり観光者気分だった。実は密かにゆういちろうのためにヘラクレスおおかぶと虫を買おうか大いに迷っていた。でも生き物を「高価なおもちゃ」にするのはよくないと思ってやめた。
話の流れで、ずっとドイツ人だと思っていた彼女が、ブルガリア出身だということがわかった。13歳の頃、西ドイツに家族とともに亡命したらしい。そしてドイツの大学で学ぶが研究を続けることは難しく、渡米して今はアメリカに住んでいる。強くないと生きていかれない環境なんだな。
今日、その彼女からメールがあった。日本の最後の夜を友人たちと楽しんでいるとのこと。
7月20日(金)
・握り寿司
・豆腐とわかめの味噌汁
・茹でオクラ、しょうゆマヨネーズソース
・茹でもやし、青じそドレッシングかけ
夏休みを思い切り楽しむためにも、今やっておかなければいけないことが山積みにも関わらず、国際会議から帰ってきて以来、全然仕事に打ち込むことができず悶々としていた。が、いろいろなことのおかげさまでようやくその時期を脱しつつある。これで流れに乗れればいいのだけど。
夕食は市販の握り寿司パックを買ってきて、簡単に済ませた。夫も出張から帰宅。数日ぶりに食卓をいっしょに囲んだ。出張先で、知り合いの先生からシャツが派手ですねと言われたらしい。それもそのはず、普段はしがない工学者風情の格好でカモフラージュしているが、夏は急変して断然アロハ派なのだ。なぜかアロハシャツだけは色とりどりたくさん持っているし、お気に入りのブランドもある(ここ)。さなぎから蝶に変身するのを目の当たりにするようで、この季節は飽きない。
7月21日(土)
・居酒屋メニュー
立命館大学で、戦争やテロにおけるPTSDの問題についてのアラン・ヤング氏(医療人類学)の講演を聴いたあと、法と心理学に関する研究会に参加。本当に犯行を犯した人が、自白を翻して冤罪者を演じることが可能がどうかなどを話し合う。演劇のテーマとももろに重なりあう内容だった。夕食は研究会のメンバーと居酒屋で。
うちに帰ってから、今日知り得た刑事事件のことを夫に話している最中、急にいらいらした表情で「きみたち、他人の身に起こった切実な問題をたんにディスカッションして楽しんでない?」というような内容のことを言われて、激しいショックを受けた。その発言に対していろいろな切り替えし方はあると思うのだが、確かに私の唇の端はうれしそうにしていたのかもしれない。こんなすごいことを知っているんだよ、自分たちはというふうに。
私は、正義大好きなマルクスお嬢さんを無自覚なまま「演じて」いるのではないか。そしてそういう立ち居振る舞いをするだけで、誰か(例えば司法に傷つけられた人間)を不快な思いにさせているのかもしれない。けれども、だからといって、自覚したからといって何かすごくいいことがあるとも思えない。
自分たちがすごいことをやっているとは思えないけど、でもやらないよりはやるほうがましと言い聞かせて、今晩はひとまず寝よう。自分のできることを細々とでもやり続ける、関わり続けるしかないのだと思うことにする。そうさ、私のこんな自意識なんざ、司法に傷つけられた人たちにとってみれば吹けば飛ぶようなどうでもいいことだもの。
7月22日(日)
・チキンカレーライス
・トマトとゆで卵入りベビーリーフサラダ
午後龍谷大学での法学の先生方が中心の研究会に出席した。十分前夜に睡眠をとったつもりだが、半分くらい居眠りをしてしまった。「この人何しにきたの」状態だったと思う。疲れてるのかなあ。。。二次会には参加せず、自宅で食事をとった。夫が時間をかけて作ってくれたカレーはとてもおいしかった。
2日分まとめて更新
7月23日(月)
・日本酒
・ごはん
・なめこと豆腐の味噌汁
・白身魚のスパイス焼き
・焼きなす、ししとう焼き
・きゅうりの乱切り、味噌を添えて
実家の畑から宅配便で送られてきた野菜を使った献立。さっと洗ったきゅうりを手で4等分にぽきっと折って、味噌をつけて食べてみたら、すごくおいしかった。包丁で切ったものより、ちょうどよい量の味噌がぎざぎざの切れ目に残って絶対にいける。お客さんには決して出せないけど、素敵な奥様ならぬ「素敵な女房」になれることまちがいなし。
7月24日(火)
・イタリアンディナー(ぶー)
もう24日なのか、もう火曜なのかと慌てる今日この頃である。ひさびさに家族そろって外食しようとうきうきしていたのに、入る店を間違えた。中年のおばちゃんたち、もしくは若い女の子の集団ばかりで、人の悪口を言っているとき特有の笑い声が聞こえる。男性客はほとんどいない。「イル・なんとかかんとか」「グラッチェ」と店の人がイタリア語を大声で叫ぶ、隣の人のたばこを吸い始め煙がもろにこちらに流れてくる空調の設計。げんなりしてお酒も飲まなかったが、なぜか1万円が飛んでいってしまった(高いよ、泣くよ)。
2日分まとめて更新
7月25日(水)
・うなぎどんぶり
・たまねぎとじゃがいもの味噌汁
・焼きなす
・きゅうりの乱切り+味噌
・トマトのサラダ、クミン風味
保育園の帰り道すがらゆういちろうがうなぎが食べたいと連発した。梅雨明けしたし、夏だし、いっかなと思ってうなぎにした。実家の畑で取れた夏野菜を添えて。ついでにいえば玉ねぎも実家産、じゃがいもは実家お隣の畑産。
7月26日(木)
・日本酒
・ごはん
・あさりの味噌汁
・マグロのレアステーキ、しょうゆバターソース
・鯛のお刺身サラダ
・かぼちゃの煮つけ
新しく建てる家の土地の地盤調査がもうそろそろ始まる。そこで工務店の方と夫がご近所に挨拶をして回った。ちょっとずつ環境が変わりつつあることを記念して、ごちそう系の献立にした。魚な気分。
2日分まとめて更新
7月27日(金)
・白ワイン
・ごはん
・豆腐とわかめの味噌汁
・豚のしょうが焼き
・ほうれん草のおひたし
・ジャスト・トマト(=くし切りにしただけのトマト)
・キムチとねぎのカマンベールチーズグラタン
暑かった。ふだん会社帰りに利用するバスに乗ると保育園の迎え時間ぎりぎりなのでいつもダッシュして汗だくになりながら保育園に着くのだが、この猛暑の日にダッシュなんて考えただけでもいやになり、帰りのバスを一本はやめたくらいだ(田舎なのでバスダイヤはすかすか)。それくらい暑かった。
久しぶりにしょうが焼きを作ったが(より正確には夫に焼くのを手伝ってもらったが)、自分でいうのもなんだかおいしくできた。ゆういちろうは肉しか食べない子どもになってしまったが、たまにはいいだろう。
7月28日(土)
・日本酒
・親子丼
・大根と三つ葉の吸い物
・きゅうりの乱切り、味噌を添えて
・マッシュルームとサニーレタスのサラダ
今日も暑かった。昼間は、大家さんもやってきて、業者による下水の配管工事見積もりのための調査に立ち会った。木の根っこが下水のコンクリート管を突き破って、トイレが詰まりやすくなっているのだった。最近、植物日記をまったく書いていないが、それもそのはず植物と私たちは戦っている最中なのだ。まだ決着がつかないうちに、うかつに書くわけにはいかない。植物にとっては栄養たっぷりなものを私たちは排出しているわけで、そのせいか地上に見える部分は生き生きして、それを眺める私たちも恩恵をあずかっている。つまりエコっていえばエコだがな、はっきりいって迷惑している。
今までだまっていたが、他にも梅雨どきのダニ大量発生事件におけるダニとの戦いについても、書きたいことは山ほどあるのだ。だが、戦いに消耗しすぎて(いわゆる「マジ」な戦いでした)、おもしろおかしく書く気力が残っていなかった。つまり、ユーモアを私は忘れていたのだ。
夕飯の吸い物は失敗した。だしをとりすぎて、苦くなってしまったのだ。バランスって大事なのだなあ。
7月29日(日)
・日本酒
・鯛茶漬け
・イカめんたい
朝寝坊したので、昼ごはんの時間も遅くなり、夜は軽く食べた。今日福岡から届いたお中元の明太は毎度ながら美味。ありがとうKちゃん。これまた今日届いたばかりの三川内焼きの白磁の盃で冷酒を飲んだ。桜が水に浮かんでいるように見える細工の入った繊細な品。うっとり。酒飲みの食卓になった。
参院選の投票に行った。投票時間が短縮される投票所が全体の3分の1あり、中には午後4時に締め切るところもあるというニュースを聞いたので(びっくり!)、自分のとこは大丈夫かと気になったが、午後8時までだったので夕飯の買い物前に済ませた。
選挙結果はまだ全部出ていないが、1人区で民主党が一人勝ちしているようだ。1人区ってオセロゲームみたい。「死票が多く民意が反映されにくい欠陥制度であることに今気付きました」として、自民党のなかから選挙制度の変更を求める運動がこれからおこなわれたりして。。。
7月30日(月)
・ごはん
・あさりの味噌汁
・豚の冷しゃぶ、ごまだれをかけて
・トマトとサニーレタスのサラダ
・冷奴
・イカめんたい
簡単な食事。気持ちのうえでだらけていたのか、味噌を入れすぎて味噌汁の味が濃くなったり、サラダに酢をかけすぎて酸っぱくなったりしてしまった。作り手としてはあーすればよかった、こうすればよかったと食卓上でぐじゅぐじゅと悔やむのだが、周りはあまり気にしていないようであった。逆の場合もよくあるので、食べる人と作る人とでは同じ献立に関しても感じ方が全然違うのだと思う。
英語の原稿が思うように進まずイラっとしてしまった。これはきっとワードの設定のせいだと、他のものに責任転嫁する。ワードが私のやる気をそがせ、私の大事な仕事の邪魔をしているのだと。なんで図が思うようにはめ込めないのだと。ムキー!!
一方で、今後の研究計画の鍵をにぎるアイデアも思いつく。やるべきことが脈略なくポコポコと浮かび上がってきて、大丈夫か自分の頭はと思ってしまう。
ついでに職場では、友人の研究スペースに乗り込み、こういう温室を新しい家の庭に建てたいのだと、密かに暖めていたアイデアを思い切って告白した。土台部分がレンガで出来ている木製枠の温室だ。ロンドンのチェルシー・フィジック・ガーデンにある。私のほうは熱い思いが煮えたぎっているが、告白されたほうは軽く受け流すしかない話題だろう。
うちに帰って、こういう温室を作ってくれと写真を見せながら夫に頼むと、「もし同じものを建てることができるなら、とっくに本職の大工になっているであろう」と却下された。不可能を可能にするのが工学者ではないのか。どうかお願いします。
7月31日(火)
・宅配ピザ
・トマトとサニーレタスのサラダ
帰宅時間がいつもより遅くなってしまった。これから作り始める気力がわかない、今日は何かジャンクなものが食べたい、外で食べる気も起こらないという、夫の食に対するネガティブ発言を受けて、ピザをとりました。ルコラとプロシュート(としたほうが売れるのかな。素直に生ハムと呼んだらいいのにねぇ)を自分たちで乗せて食べるサラダ風のピザです。予想よりもおいしかったです。でも、そういえば先週の火曜もレストランでピザを注文したのでした。「レストランのより宅配のほうがおいしいってどういうこと?」と別方向にも文句が飛び火しました。
食後はぶどうを食べました。実家から送られてきたものです。一粒がピンポン玉くらいの大きさもあるぶどうでした。ピオーネの新種で「藤稔」というものらしいです。甘くておいしかったです。私たちは果物好きの家族で、冷蔵庫の中には他にもりんご、すいか、グレープフルーツがあります。明日の朝一番には、すいかを食べたいと思います。果物しか食べない小動物(やまねだったかむささびだったか)がいるそうですが、その気持ちはとても分かる気がします。
なんで「ですます調」になったのか自分でも分かりませんが、今日はそういう気分です。「ですます調」にしたいというより、「である調」を書きたくないというのがより正確な表現のような気がします。論文を書いている真っ最中だからだと思います。私の書いたものを読んでくださった方で、私と過去に一度も会ったことがない方から、初対面のときに「ごあんさんは怖い人だと思ってたけど、そうでなくて安心しました」と言われたことがあります。私のことをよく知っている人も「あんたの文章、なんかきついよね」とかよく言われます。なんでなんでしょう。。。
明日は午後から健康診断があり、様々な検査を受けます。ここ数年、ちょこちょことひっかかる数値が出てくるようになりました。いや〜んな気分です。あらかじめ記入しておかなければならない問診票があるのですが、そういうのに取り掛かるのがやけに苦痛です。ちょっとしたことだとは頭では分かっていても、です。細かい日付を手帳で確認しなければないないのが億劫なのです。きっと怠惰でわがままなのでしょう。
なんと今日で7月は終わってしまいました。