料理ネタ


2007年8月

2日分まとめて更新!

8月1日(水)
・チキンカレーライス
・ゆで卵
・トマトとサニーレタスのサラダ

健康診断に行ってきた。いつも何度やっても慣れないのが婦人科の診察台に乗せられて足を広げさせられる行為だ。私は人間なのでこれは自分が自発的に依頼した検査項目で、子宮頸がんの早期発見につながる大事な検査だと頭で分かっているので我慢できるが、これが動物だったら何するんだと暴れると思う。

今回行った施設にある東芝製のマンモグラフィ機器では、乳房(notちぶさbutにゅうぼう)を地面に対して垂直縦方向に挟んで撮影するだけでなく、水平横方向の映像もとってもらえた。去年のところは、縦方向だけだったので、同じマンモグラフィといってもいろいろなタイプがあるものだと感心した。

こういうのって女にしか分からない、やっぱり女って大変よねとまとめたい気はさらさらない。なぜなら私が健診で一番苦手とするのが血液検査だからだ。とにかく注射針を打たれるのが嫌。打たれてしまえばどうってことはない。怖いのは、針をさされる前の数十秒間。射される、痛いかも、射される、すごく痛いかもと頭のなかがぐるぐるまわる恐怖感といったらもう。。。

検査後は仕事をする気が起こらず、しばらくぼーっとしてしまった。夕飯は粉ルーを使って簡単お母さん風カレーにした。


8月2日(木)
・昨日の残りのカレーライス
・カレーうどん(少々)
・ゆで卵
・トマトとベビーリーフのサラダ

何をとちくるったか昼間もカレーにしてしまった。ぼけてるぜ。

でもおかげさまで論文ひとつ一応書き上げ、英語のネイティブチェックにまわした。英語の場合、果たしてこれでこちらの意図したいことがきちんと通じているものになっているのかどうかよく分からないので、やるだけのことはやったという最後の達成感が得られない。ネイティブチェックにまわすまえに、非ネイティブだけど私より格段に英語の得意な夫にも読んでもらいおかしなところがないかどうかチェックしてもらったが(いつもすまないです)、「性格が勝気なのは知ってるけど、英語はもっと勝気だねえ」と呆れられた。スパって切り捨てるような断定主義者になっているらしい。攻撃的ではないけど断定的とのこと。

そうなんですか?そうなんですか? 確かに難しい表現(would を使った英語的婉曲表現など)のニュアンスがよく分からないから平易な表現をこころがけていた。だって以前would を多用して自分なりには英語論文っぽくしたつもりだったのに、ネイティブチェックを受けたらことごとく訂正されて、自信喪失しちゃったんだもん。それ以来、素直な言い回しに徹しているのさ。けれど、それがストレートすぎる断定的表現になってしまうのか。難しいなあ。根っこの部分は注射に怯える小心者なのになあ。

私の憧れる文章表現は、明らかにしたい物事の輪郭をはっきりと描く「しゅっとした」「かりっとした」シャープな表現であって、とりたてて何かを断定したいわけではない。まだまだ全然だめみたいだ。Just do it あるのみね。

ちなみに a と the など冠詞の使い分けや複数形と単数形の使い分けに関しては、何度直されても、全くその法則性が分からない。だからとっくの昔に自分で悩むのをあきらめて、深く考えることなく直観で書いてみてあとはネイティブの添削者におまかせというスタンスをとっている。じゃないとなかなか先に書き進められないのよ。
3日分まとめて更新!

8月3日(金)
・フレンチディナー

会社の同僚たちを誘って、フレンチディナーに行った。なぜならこの日は外で食べて帰るという電話が夫から入ったので、だったら私も外食しよう!って気分になったからだった。ゆういちろうも連れていったので、お店の人から親戚の集まりに間違えられた。それくらいゆっくりと食事を楽しんでいた。が、突如8時45分に私の携帯電話が鳴った。すでに食事を済ませて帰宅しているとのこと。台風も来てるし、子連れの夜歩きは危ない、はよ帰れというお達しが。普段より早い帰宅時間じゃないかと驚きつつ、予告なしの外食がリアルタイムでばれてしまったとしゅんとなってしまった。折りしも、土砂降りの雨に打たれ、びちゃびちゃにもなった。あ〜あ、最後ばたばたしてしまったのは心残りなので、あらためて自宅で何か企画したいなあと思ったのだった。


8月4日(土)
・ごはん
・大根とたまねぎの味噌汁
・刺身の盛り合わせ
・茹でもやし、青じそドレッシングかけ
・辛子明太子
・冷奴

前日と打ってかわり、和の食事にした。福岡から送られてきた中元の辛子明太子はとてもおいしい。昼間は、ここのレシピを参考にしながら、たらこスパゲティを作った。これはもう大ヒット。テクいらずでとっても簡単。我が家の永遠系の献立のひとつになるであろう。


8月5日(日)
・パン
・じゃがいもと長ねぎのポタージュスープ
・鶏の塩焼き(グリル)
・トマトのサラダ
・焼きとうもろこし
・茹でブロッコリー

朝5時くらいまで仕事をしていた。昼間は家事があるので、結局みなが寝静まった夜に集中してとりかかることになる。朝11時に起きて、家事やら仕事やらを行きつ戻りつして、ようやく深夜1時に脱稿。締め切り1週間前。ウルトラ気分よし。

それにしても今回も最後になればなるほど図表の埋め込みやらファイル変換やらで夫に大変世話になった。これを機に、私もいい変換ソフトをけちらずに買おうかな。ヒステリーを起こす回数が劇的に減るんじゃないかな。

13日締め切りの原稿をなんでこんなに早く出すんだ、熱でもあるのかと思う方もいらっしゃるかもしれないが、答えは単純で、明日から長崎の五島に「バカンス」こと待ちに待ったサマーバケイションに行くからである。そもそもネットにつながらない可能性もあるのだが、何よりも五島まで行って仕事に追われたくないでしょうが。

五島のあとは長崎市にある夫の実家に行って、母の介護。その後、岡山の私の実家に行って、祖母の初盆やらの手伝いをする。まるまる2週間休暇をとった。18日締め切りの原稿はあるが、それは五島を楽しんでからのちに書き始めることにしよう。
【五島第1日目】

8月6日(月)
・割烹メニュー

あのですね、よく田舎から出てきた人が「ここの○○は食べられたものじゃない」と言いますが、その判断には故郷自慢とかノスタルジーとか多分に含まれているのではないかと今まで思っていましたが、そんなものではなくて単に真実ではないかと、五島の割烹屋さんで思いました。五島出身の人が長崎市(魚はおいしいとされる)に出てくると、魚は食えんというらしいのですが、さもありなんと思いました。出てくるものすべて今まで食べてきたものは何だったんだろうという体験。。。五島まで来る価値おおありです。「仕事」のよさはきっと都会で味わうものなのでしょうが、五島は圧倒的に素材がよい。

あまりに幸せな食事の後、ホテルに戻るとやおら夫がさだまさしの「防人の詩」をi-Podで呼び出し、涙を流しながら歌い始めた。被爆二世の長崎人としての心がそうさせたとのこと。おりしも、今日は広島に原爆投下されて62年目の日。人間に対して意図的に2種類もの大量放射線を浴びせた人体実験政策が今もなお正当化されている国があるという。戦争終結を理由などにしないでほしい。

「防人の詩」

 おしえてください
 この世に生きとし生けるものの
 すべての生命に限りがあるのならば
 海は死にますか
 山は死にますか
 風はどうですか
 空もそうですか
 おしえてください
 
 私は時折苦しみについて考えます
 誰もが等しく抱いた悲しみについて
 生きる苦しみと
 老いてゆく悲しみと
 病いの苦しみと
 死にゆく悲しみと
 現在の自分と
 
 答えてください
 この世のありとあらゆるものの
 すべての生命に約束があるのなら
 春は死にますか
 秋は死にますか
 夏が去る様に
 冬が来る様に
 みんな逝くのですか

 わずかな生命の
 きらめきを信じていいですか
 言葉で見えない望みといったものを
 去る人があれば
 来る人もあって
 欠けてゆく月も
 やがて満ちて来る
 なりわいの中で
 
 おしえてください
 この世に生きとし生けるものの
 すべての生命に限りがあるのならば
 海は死にますか
 山は死にますか
 春は死にますか
 秋は死にますか
 愛は死にますか
 心は死にますか
 私の大切な故郷もみんな
 逝ってしまいますか

大和に反抗したものたちの多くは防人に行かされた。もちろん熊襲の多くもそうだ。母の実家は熊本なので、もしかしたら私の遠い先祖には防人がいたんじゃなかろうか。それくらいわけもなくやたら防人に共感する。とても生理的な感覚だ。私はこれからもみなと仲良くしながら日本に住みたいと思うが、大和魂を振りかざす人々はやはり苦手だ。生粋の大和がどこから来たのかどんなものか想像できない上に、それに「魂」までこめられるとますます難しい概念になってしまう。
【五島第2日目】

8月7日(火)
・居酒屋メニュー

午前中は五島歴史資料館でお勉強をし、その後レンタカーを借りて、港へ。さんご礁を船底から見る半潜水艇のグラスボートに乗って、珊瑚や魚たちを見た。たまたま貸切状態になり、私とゆういちろうは不思議な別世界に初め大はしゃぎしたが、すぐに酔ってしまい地上部で周りの景色を見た。

お昼は釜揚げ五島うどんを食べ、鬼岳という火山爆発後に出来た芝生一面の原っぱのふもとでしばらくのんびりした。その後、レンタカーで長崎県の天然記念物に指定されているアコウの巨木を見に行き(私は天然記念物好き)、白亜の天主堂をもつ水の浦教会とレンガ造りの楠原教会をめぐって市街地まで帰ってきた。瓦葺の和洋折衷の古い教会だった。それぞれ中にもそっと立ち入ったが、いずれも個人の持ち物が台の下に置かれてあって、篤い信仰がいまもなお保たれていることが伝わってきた。誰もいないはずなのにがやがやうるさくできない雰囲気だった。

市街地に戻ると、昨日から目をつけていたお皿をいくつか購入。五島焼きの若い窯元のものもある。使うのが楽しみ。その後いったんホテル(ビジネス向けの安ホテル。ちなみに隣はゴージャスなリゾートホテル)に戻って休んだあと、五島の地鶏の焼き鳥を出す居酒屋にいった。焼き鳥が専門というだけあって鶏も非常においしかったが、そのほか魚介の刺身も五島牛の刺身も出す、ようは何でもある店で、小鉢系もどれも満足した。しかも昨日も今日も内地では考えられない値段でお腹いっぱいに食べられる。五島ってすごいなあ。

今日は台風の残り風がふいていたので海水浴はしなかった。明日はいよいよ海に入ろう! ガイドブックいわく「日本一美しい砂浜」といわれる高浜ビーチに、まずは行って見る予定。ああいつまでも続いて欲しい私たちの夏休み。。。
【五島第3日目】

8月8日(水)
・五島牛ステーキセット

3時ぐらいまで高浜ビーチで過ごした。嘘みたいにあまりにきれいなブルー(ほんと、バスクリンを入れたみたいな)を遠目に、すぐ真下は白砂が透けて見える透明な海水、岸壁の濃い緑に囲まれて、ぼーとした気分になった。ズンドコズンドコうるさい音楽もかかっていない。こんなにきれいな世界が広がっているのに、それほど人はおらず、20、30メートル四方はプライベートビーチになっているくらい自分たちの世界に静かに浸ることができた。

その後、ふかふか芝生が一面に生えている鬼岳に登り(駐車場付の展望台からは300メートルくらいの短い距離。気軽なハイキング!)、火山口のてっぺんからオーイと叫んだ。帰りは、素足で芝生を楽しんだ。予想どおりとても気持ちよかった。昔爆発があったとは思えないおとなしい地形をしていた。そしてふもとにある鬼岳温泉(鉄分豊富の湯で赤さび色をしている)に入って、汗を流した。

夕食には島の老舗の店で五島牛のステーキを食べた。少し固めの運動した「肉」って感じだった。ちなみに五島に子牛を買いにきている神戸牛や松坂牛のバイヤーもいるそうだ。


【五島第4日目】

8月9日(木)
・刺身系の食事

今日は、昨日いったビーチの隣にある頓泊ビーチに行ってみた。ものすごく遠浅のおだやかな海で、ゆういちろうは波打ち際よりも、少し沖合いに出たほうが波しぶきがかからずぷかぷか浮き輪で浮かんでいられることを学習した。ずっと海で遊んでいたがっていたが、私のほうが疲れて水からあがることにした。海の家で、うどんとカキ氷を食べた。すこぶるおいしく感じた。ここも全く混雑しておらず、さびしくない程度に海水浴客のいるところだった。

今日の失敗は、(日焼け用の)日焼け止めを自分の腕や足に丁寧に塗ったことに満足して、肝心の顔と首に塗るのを忘れていたことだった。鼻を頬が真っ赤にてかてかになりました。昨日と同じく、海から上がった後に、温泉に入ったが、肌が痛かった。それもそのはず、今日入ったのは日本最西端に位置するという荒川温泉なのだが、70度くらいの高温の湯をさまして使うタイプの温泉だったのだ。熱いわけだ。

11時2分になると原爆投下時間を知らせるサイレンが鳴らされ、大人たちの多くは特に何のサイレンか放送で知らされないにも関わらず、水のなかに入っていても、長崎市のある方向を向いて立ち止まり黙祷をささげていた。今日は(とりわけ長崎の人にとって)特別な日であることが分かった。

ところが今晩食事したところで隣になった、関東からと思しき観光客カップルは、完全に土足でずかずかと入ってくるタイプの人たちで本当に驚いたし、不快な気分になった。途中から食事を全く楽しめなくなった。

例えば携帯画面を見ながら女が男に「へ〜、今日は原爆記念日なんだぁ。だからこんなにうざいんだぁ」としゃべりかけていた。男はにこにこしているだけ。原爆に対してどのような態度をとるかは個人の自由にまかされるべきだとは思う。だから別に反対しろなんて言わないが、でもやはり、そういう発言は公衆の場でしてはいけないだろうと思う。

その後も、その人たちは献立表にのっていない値のはるであろう品をばんばん注文して、店の人がいなくなると「こんな辺鄙なところに来たんだから。たくさん頼んであげないと、あの人たちが儲からないでしょ」などと発言。食事状況として最悪。ある種のアメリカ人を想起させる傍若無人なことば群だった。彼らも明日から長崎市内をめぐるらしいが、絶対に私たちの目の前に現れるなよと思った。

彼らみたいな発想をする人たちが今現在の「日本国民」のなかにどれくらいのパーセンテイジ含まれているのだろうか。もし想定以上に多数派を占めているんだったら、本当にどうしよう。。。

せっかくの五島最終日なのに、スカッとしない幕切れになってしまった。明日から心機一転するべし。
【長崎市内第1日目】

8月10日(金)
・うなぎ丼
・豆腐とわかめの味噌汁

なんとなくいやーな予感はしていたが、前日に寿司屋で会った嫌〜なカップル客と長崎行きの飛行機が同じになってしまった。しかも私たちの真後ろの席。やーねー。

長崎について、夫は母を迎えに日頃お世話になっている特別養護老人センターに行き、私とゆういちろうは家の掃除をしに先に家に入った。家に入った瞬間かび臭いにおいがプンとした。雨戸をあけ空気を入れ替え、掃除機と雑巾がけをして、歩いても足が黒くならないようにまでは掃除した。家は使わないとすぐ傷むのだなあ。

長崎の母はGWのときよりも身体能力が落ちていて、周りがからだを支えたとしても坂を上ることができないので、腰の悪い夫の代わりにセンターの方たちにおぶってもらって家に到着した。その後夫が日用品の買出しに出ている間、母のトイレの介助中に、ゆういちろうがトイレ(大)を珍しくしくじってしまったときは、イラっとしてしまった。いかんいかん。

夕食はごくごく簡単に済ませた。味噌汁はとりあえず作ったが、それ以外は、出来合いのうなぎの蒲焼を買ってきて、ご飯の上に乗せただけの食事。ミニ冷蔵庫しかないので、最小限の生ものしか揃えられない。

奈良に建てる新築の家の話をし、母を迎える部屋の前の庭はどうしようかと相談したら、赤紫のバラを植えるようにとのこと。まぁ、ゴージャス! 子どもの頃自分の部屋の前に咲いていたそうだ。私はてっきり純和風を好むとばかり思っていたが、そうでもないようだ。よかれと思って余計なことをするところだった。聞いてみてよかった。


【長崎市内第2日目】

8月11日(土)
・ちゃんぽん

本日ゆういちろうの鼻の頭の皮が剥け始めた。それで気付いたが、私はゆういちろうの顔にも日焼け止めを塗るのを忘れていたのだった。ごめんよ、ゆういちろう。

母は昨日いっぺんもトイレに起きずにぐっすり寝ていた。やはり家のほうが安心、落ち着くのだろう。昨日は、もうどうなるかと思ったが、なんとかなるものなのだ。案じてやらないより、やりながら問題対処していったほうがよいような気がする。

私が勝手に定めた「短期間」介護のマイルールがあって、歯磨き、からだ拭きなどの身の回りのことは、介護されるべき人を最初に、次に介護すべき人がやるというものだ。そうしておくと、たとえば自分がどうしても歯磨きしたくなったときに母の歯磨きを先に済ませることになるので、絶対に忘れない。忘れっぽい人(自分がきれいさっぱりしていると他の人の心地のことはついすっかり忘れてしまうもの)やずぼらな人(お母さんもまだなんだから、今日はシャワーなしに寝ちゃお)には、お勧めなやり方だ。それになんだか幻想のなかで「献身的な人」になれる。

今日は朝昼晩と夫が作ってくれた。ごはんは人の作ってもらったものに限る。
【長崎市内第3日目】

8月12日(日)
・ごはん
・豆腐とわかめの味噌汁
・肉じゃが
・梅干

夫が母に食べさせたいといって肉じゃがをつくってくれた。彼の頭のなかで「おふくろさんよ〜、おふくろさんよ〜」と歌がなっていたかどうかは不明だが、思いを込めて作られただけはあってとてもおいしかった。母も満足してくれた模様。よかったよかった。

でもね、ほんとのことを言うとね、見も蓋もない話になるけど、おいしさのポイントは肉の質のような気がする。ほんの少量だけど上等の肉を使ったら、あらまぁなんということでしょう、我が家で作るいつもの肉じゃがとは全然違う深みのある味になったのだった。結局量ではなく質か。。。


【岡山第1日目】

8月13日(月)
・夕飯:きのこと鶏のクリームスパゲティ
・夜食:ふぐ刺し

長崎最終日。母を施設に送りに行った。坂道を安全に降りるために施設の方が2名も迎えに来てくれて、母はそのまま施設の車に乗り、私たちはその後家の後始末をしてから少し遅れてレンタカーで追いかけるという手はずだったのだが、そのことを理解していないゆういちろうは、自分のよく知らないお兄さんに母が連れられて家から出て行ったあと、「長崎のおばあちゃんがいなくなった」とわんわんおお泣きしてしまった。なだめるのに苦労した。まるで私がぐずぐずとシーツを取り外しているからおいていかれたのだと猛抗議だったのだ。

その後、岡山に移動して、実家についたのが夜の10時過ぎだった。ラッキーなことにふぐ刺しが待っていた。祖母の初盆で実家に寄った叔父が、昨日釣ったものを今日の昼にさばいてくれたのだった。夏のふぐもいける! 昼は駅弁、夜も岡山駅で食事し、2回も駅関連で食事をして少し食傷気味だったが、元気回復。食事は大事。ありがとうHおじさん。
【岡山第2日目】

8月14日(火)
・ごはん
・鯛の味噌汁
・鮎の塩焼き
・うなぎの白焼き
・なすの酢もみ
・ふかしかぼちゃ
・焼きピーマン
・オクラ

昼間は祖母の初盆のためお客さんが大勢来られた。結構な時間、皿洗いをしていたような。。。実家の母が体調があまりよくないと聞いていたので、今回は手伝い要員を自負して比較的長く滞在することにしたが、しょっぱなから朝寝坊して口だけ人間だと揶揄された。

かぼちゃはお隣のおばちゃんが作ったもの。そのほかの野菜はうちの畑で採れたもの。味噌汁にいれた鯛は父の釣ったもの。鮎はスーパーで買ったもの。うなぎは魚屋さんに頼んで焼いてもらったもの。大人はぱりぱりの白焼きを好むので白焼きを食べたが、ゆういちろうはたれをつけて焼いたふっくらしたタイプがお気に入りで、一人だけたれのうなぎが用意された。私も一口ゆういちろうのを食べたが、さっとたれをつけて香ばしく炙ってあり、べとべとしておらず大変美味だった。

夕食後、近所の小学校で開催された地域の盆踊り祭りにでかけた。幼馴染のKちゃん一家も来ていて、合流した。ゆういちろうは祭り初体験だが、金魚すくいやヨーヨーつりのルールを理解しておらず、あまり興味を示さなかった。むしろKちゃんの子どものUくんと遊具で楽しそうに遊んでいた。

クライマックスは打ち上げ花火だった。これまた初体験のゆういちろうは音に怖がって、怖い、家に帰りたいと連発。なんとか持ちこたえて、途中からはきれいだねえと余裕の素振りを見せるようになった。その後も手持ち花火を楽しんだ。Kちゃん一家が手持ち花火を持っていて、いっしょにやらせてもらえたのだった。ゆういちろうはこれは全然怖くないようで、おおはしゃぎだった。

夏が終わっていく。反対に18日締め切りの原稿のプレッシャーが大きくなってくる。長崎にいるときから見る夢は研究関連のものばかり。研究上お世話になっている実在の人物と日替わりでいろいろと無駄話をしているのだ。夢のなかの無駄話は大変刺激的で、眠るのが楽しい(原稿は一切進まないけど)。なぜか桜井圭介さん(ダンスや音楽の専門家)まで私の夢のなかに出てきたときがあって、さすがにそれには、起きたとき苦笑した。
【岡山第3日目】

8月15日(水)
・ごはん
・馬刺し
・鯛のアラ煮
・なすの酢もみ
・手割きゅうり、味噌添え

私たちが来ているということで熊本のおばが馬刺しを送ってくれた。いつもと違う店から送ってくれたが、いつもながら美味。さっぱりとタンパク源のおいしいところだけ抽出したような味。仕事が入ったため一足先に帰った夫は残念ながらありつけず。

奈良の家の植物状況を電話で聞くと、玄関先の鉢植えがひとつ枯れてしまっただけで、後は大丈夫だったとのこと。鉢植えのなかには軒下に避難させただけのものもあったが、この猛暑をよくぞ耐えてくれた。偉い!

お隣さんとの境目にある大物の鉢植えに関しては、ちゃっかりお隣さんのご厚意に甘えて、留守中の柵越し水遣りを頼んでいた。本当に助かった。ニュータウンとはいえご近所づきあいはとても大切である。お隣さんも植物愛好家で、玄関先にはきれいな花がいつもあり、春と秋しか花に恵まれない計画性のないうちの状況とは随分趣きが異なる。我が借家の枇杷の実が鳥についばまれているのをはらはらしながら見ていたりなど、さりげなく見守っていてくれる。年も一世代上なので、植物を接点に、ほとんど娘的感覚で接することができてラッキーである。

とにかくみっともないので玄関先の枯れた鉢をどうにかせねばならない。真夏に咲く花が欲しいところである。考えるべきことは山ほどある。
【岡山第4日目】

8月16日(木)
・ごはん
・鮎の塩焼き
・馬刺し
・焼きなす
・トマト
・手割きゅうり、味噌添え

実家の隣のおじちゃんが釣った鮎を持ってきてくれた。やはり高梁川の地鮎はおいしい。都会に出てから初めて「違いのわかる人」になった。

弟の奥さんが2人の子ども(つまりゆういちろうのいとこ)を連れて私たちに会いにきてくれた。年の近い子どもどうし、大はしゃぎで暴れた。今日はあせも癖のあるゆういちろうに2回も水浴びをさせることになった。子どもの暴れまわり方は尋常じゃない。

出発前に頭のなかではだいたい構想ができていたことを理由にして、原稿にはまだ直接手をつけていない。岡山では取り掛かるつもりでいたのに。言い訳をさせてもらえれば、夜も家の中が結構暑いのよ。クーラーを効かせた畳の部屋に布団が敷いてあるもんだから、そのままゆういちろうと一緒に寝てしまうのがパターン化している。盆地の山合いにある家なので、夜は窓を開けると涼しかったはずなのに。

でも今日の夕方は昨日より風が出て涼しかった。ほっとした。
8月17日(金)

・チキンカレーライス
・ゆでもやし、青じそドレッシングがけ
・ゆで卵
・プチトマト

奈良に帰ってきた。枯れたと報告された玄関の植物はかろうじて生きていた。その代わり、地植えにしていた秋明菊がへなへなになっているのを発見し、だめもとでホースで水を大量にかけたら、2時間後には何もなかったかのように復活していた。結果としてこの猛暑留守の間でひとつも枯れなかった。めでたいことだが、植物の生き方ってよく分からん。

夕食は夫が作りおきしておいてくれたカレーを食べた。助かる。

いつもは実家に帰ったらほとんど何もしないのだが、我ながら今回は結構家事を手伝ったんだなあと実感した。うちの台所の水道はレバーを上に上げると水が出て下におろすと水が止まる、阪神淡路大震災後急激に普及したタイプの水道なのだが、実家のは逆で下におろすと水が出るタイプで、今日帰ってから洗い物をしたら水を止めるつもりが何度もジャーっと反対にやってしまうのだった。東京出張からの帰りのときにエスカレーターの立ち位置で混乱することはよくあるんだけど、水道の使い方で今まで経験したことのないミスを繰り返し、新鮮な気分を味わっている。
8月18日(土)

・夏祭り屋台メニュー
 ・焼き鳥
 ・ぶっかけうどん
 ・カレーライス
 ・かき氷
 ・ホットドッグ

奈良・朱雀地区の夏祭りが開かれた。うちの目の前が会場で、どんひゃららととても賑やかだったので、一時的に原稿から逃避するために家族で初めて出かけてみた。というより祭囃子を大音量で聞きかながら仕事するのは非常に困難、というのが正しい表現か。予想以上に人が多かった。金魚すくいに親の私のほうが「マジ」「ムキ」になってしまった。2回やって2回とも2匹すくえた。ゆういちろうからは憧れのまじった尊敬のまなざしで見つめられた。ただし金魚は店に返した。うちで世話するのは絶望的なので。

本日締め切りの原稿もどうにかこうにか無事提出できた。ゆういちろうには、邪魔すると一時保育先の保育園にあずけるぞと脅しをかけた上、ほぼ一日中DVD漬けにするなど、すまないことをした。共著者である夫も巻き込んだ。日本語の論文なのだが既に意味飽和しており、果たしてこれで読者に意図が伝わるものになっているのか判断つきかねる状態になっている。一夜明けると頭が働くか?

ネットニュース(ここ)によると、18日の最高気温は、昨日まで帰省していた岡山の高梁で観測史上最高の39度を記録したそうだ。おじいちゃんは大丈夫か(どんなに暑くてもクーラーをつけない)。ちなみに、つい先日まで40度近くを記録していた埼玉の熊谷では26度だったそう。変なの。
8月19日(日)

・スパークリングワイン
・冷やし五島うどん
・カレーうどん(冷凍さぬき)

長崎・五島みやげのうどんを中心に、夫が作ってくれた。暑い日はごちゃごちゃ作るよりシンプルな献立にしたほうがからだが喜ぶ。五島うどんの塩気をどうやったら自分のものに出来るのかな、いつもの漬けつゆの濃さにしたらしょっぱくて困った。五島うどんはやたらにおいしいとき(味がばっちりきまるとき)としょっぱすぎるときの差が激しすぎて、まだまだ研究の余地あり。

うちにあまりに花が少ないので、夏花壇の様子を見ようと宇治市の植物公園に行った。自分が言いだしっぺだったが、途中から暑さで頭痛がしてくるなど、この時期あまりお勧めではない。とくに温室には近づかないほうがよい。駐車場もがらがらだった。夏は花よりも涼しげな葉っぱを楽しんだほうがよいのかもしれないと園内を回りながら思った。イネ科のしゃらしゃらとした葉っぱにかわいらしい穂がついた植物の群生が気に入った。新しい家の庭の斜面部分に生やしたら気持ちいいのではないか。

花屋をめぐり、4件目にして気に入ったものが見つかった。秋を想起させる濃い目の青紫色の穂花がついたもの。玄関先で枯れそうになったのち復活した植物といっしょに一回り大きい鉢に寄せ植えにして、あらためて玄関先に置いた。風にそよいでうっとり。他にも、弱りきっていた風知草の植え替えをした。根のあいだにでっぷり太った4センチほどの幼虫(白い芋虫)がいて驚いた。土に戻してやった。みな元気を取り戻してくれればいいが。

脱稿したのちはいつも土いじりがしたくなる。
8月20日(月)

・日本酒
・ごはん
・豆腐とわかめの味噌汁
・豚の冷しゃぶ、ごまだれがけ
・焼きなす
・茹でオクラのしょうゆマヨネーズがけ
・とうもろこしのバター炒め

素材を混ぜず、ちゃっちゃっと作れる献立にした。暑い日はそれくらいがいい。家族にも好評だった。

遠方より友来る、また楽しからずや

今年から筑波で働いている元同僚Fさんが、関西に帰省中だったらしくひょっこり研究所を訪ねてきた。Fさんはいつも前触れのない、ひょっこりさんだ。蕎麦屋でいっしょに昼食をとった。総勢7名。そのなかの人から、職場が離れると疎遠になるのが通常のところ、私たちが大変仲良さそうでうらやましいと言われた。そりゃそうよ、戦友だもの。いっしょに働いていた頃はおそらくはお互い憎たらしく思うこともあったと思うが、よくぞ、あの大変なときを心に大きな傷を残すことなく乗り切ったと思うもん。
3日分まとめて更新!

8月21日(火)
・白ワイン
・ごはん
・なめこの味噌汁
・まぐろのレアステーキ、バターじょうゆソース
・ほうれん草とじゃがいものグラタン(大失敗ぶ〜)

ほうれん草を茹でるのが面倒だったので、生のまま皿に盛り、その上から牛乳と生クリームで少しだけ煮込んだじゃがいものせて、オーブンにかけたのだった。ほうれん草から水分が出て白と緑の絵の具を混ぜたような水分が下にたまり、じゃがいもの上のチーズが生っぽいままの、とてもまずい代物が出来上がった。この日は、この、ひさびさの大失敗によってすっかり意気消沈し、日記を書く気が起こらなかった。思い出しただけで気持ち悪い。横着するな、自分。

この日を境に、まるでリベンジのように乳脂肪系の食事を作るようになった。実家から送られてきたじゃがいもに芽が生えてきたので、早く食べてしまいたいからでもある。


8月22日(水)
・白ワインのち赤ワイン
・トマトの冷製スパゲティ
・じゃがいもと長ネギのポタージュスープ
・マッシュルームとベビーリーフサラダ

本当はこれに鶏の塩グリル焼きをつけるところだったが、途中ですっかり頭から抜け落ち、結局こってり系の野菜料理となった。量的にはちょうどよかったと思う。脂が多いので減らしたいのに結局脂っこくなってしまうのだった。

25日締め切りの原稿の方針転換をした。同じ内容のものを形式だけ整えなおして出してもよかったのだが、それでは自分がつまらないからと新しいデータを付け加えることにしたのだ。だって自分が退屈なんだもん(実際、月と火はぷらぷらしてた)、別に論文の量だけ増やしても意味ないもん。と、夫に鼻をふくらませて報告したら、もったいないねえ、損する性格だねえと呆れられた。


8月23日(木)
・焼きビーフン
・長ネギとしいたけの中華風スープ
・バンバンジー
・謎の四川風ホタテ料理

夫が作ってくれた。ホタテは難しい漢字を使った料理名で今まで食べたことない味だった。粉末クミンシードと豆板醤が入っている。

原稿は明日中になんとかできるかなというところまで来た。いや、明日の金曜には終わらせるのだ。土曜は我が家で宴会をやるのだから。今からとても楽しみ!

五島で撮ったゆういちろうの写真をここに2つ載せた。なんと出発前のどたばたで一眼レフカメラもビデオカメラも持って行くのを忘れていまい、2枚とも携帯カメラの映像だ。ついでにいえば帽子も忘れて、3人とも現地調達した。ゆういちろうが自分で強固に選んだ帽子は後ろに日よけがついた機能的なもの。しかも大人用。なぜか妙に似合っている。
2日分まとめて更新!

8月24日(金)
・ごはん
・あさりの味噌汁
・さわらの塩焼き
・ほうれん草の白和え
・きゅうりの漬け物

ひさびさに脂っけのない和食にした。塩をかけて焼いただけのさわらがおいしくかった。こういうのが食べたかったのだ。


8月25日(土)
・桃入りワイン他ワインたくさん
・トマトのブルスケッタ
・2種類の馬刺し(和風&カルパッチョ風)
・チーズフォンデュ
・サルティンボッカ
・サラダ寿司
・プリン等、ハーブティ、コーヒー

大学院生の女の子二人(ガールズ)をお呼びして酒宴をした。ひとりは初対面の方だったので、どんな出会いが待っているだろうかといい意味でどきどきしていた。実際会って食べてしゃべってみると、場の空気を素直に華やかにしてくれるとても感じのいい人たちでうれしくなった。これから仕事の一部をお願いしようと思っていたので、いっしょの部屋で働く以上、人柄がいい人がいいに決まっている。「女の子はかわいければいい」と中年男性が発言したらセクハラで問題になるのだろう。でも、男女関係なく、この人にしかない非常に特殊な能力が欲しいというタイプの求人でなければ、この得たいのしれない「人柄」が決め手となっていろいろな物事が決まっていくのではないか。ああ、でも言い方に気をつけないと。なんだか人柄で選んだというと、仕事はできないけど性格がいいからというニュアンスに受け取られがちだ。そうではなく、私のなかで「人柄がよい」と感じてしまう判断要素のひとつに、「仕事はきっちり責任をもってやってくれそうな雰囲気」も入っている。もうこれ以上ごちゃごちゃ言わなくていいだろう。私は彼女たちOさんとTさんに大きな好感をもっている。それだけだ。

ついでにいえばゆういちろうも「おねえちゃん、おねえちゃん」と大変なついた。特にOさんには、抱っこしてもらった上、自分の頭をぐりぐりこすりつける。おんぶしてもらう。なんでもあり。見送ったあとの帰り際「おねえちゃんたち帰っちゃったねえ、また来る?」とさびしそう。
8月26日(日)

・ごはん
・豆腐とわかめの味噌汁
・さんまの塩焼き、たっぷり大根おろし添え
・あさりの酒蒸し
・茹でもやし、わさびドレッシングかけ

酒宴の翌日は「しば漬け食べたい」モードになる。ごくごく普通のご飯をおいしいねえと言いながら食べた。夫が作ってくれた。

NHK教育テレビで「沖縄の土に魂を刻む〜陶芸家・國吉清尚〜」を見た。自らのからだに火をつけて亡くなる前の、最後の卵の作品群にびりびりきてしまった。去年の夏早稲田大学で回顧展をやっていたが、ちょうどその頃家族で沖縄に行っていて、那覇市内の器屋さんで掌にのる小さな卵型のオブジェ作品を両手で包み込むように触らせてもらったことを思い出した。私が少しでも力を入れるとへなっと曲がってしまいそうなくらい繊細なものだった。

作家として苦悩と歓喜のあいだを揺れ動きつつ作品づくりをする人たちもいれば、自分を無にして「誰かに捧げるため」だけに超絶技巧マシーンとして機能してきた伝統工芸に携わる人たちもいる。夫いわく、お互い否定しつつ尊敬し合っている関係にある人たちだ。私はどちらも好きだ。どちらもそうとしか生きられないのだと思うと、切ない気分になる。反対に嫌いなのは、作家気取りの偉そうな人たちと大衆を馬鹿にした伝統工芸もどきを作る人たち。見ているこちらが恥ずかしくなるので、なるべくそばに寄らないようにしている。
8月27日(月)

・ごはん
・たまねぎとマロニーの中華スープ
・回鍋肉
・青梗菜の塩炒め
・納豆
・プチトマト
・きゅうりの漬け物

昨日に引き続き夫が作ってくれた。感謝。最近アウトプット続きで、なんだか仕事では伸びきったゴムのようにすっかり呆けた。明日はなんとかせねばなあ。日本語だけでなく英語の口頭発表も控えている(初めてだ。大丈夫か?)。たまっている英語論文を読み漁って英語あたまアゲインしないと。それにしても9月は夫と私にそれぞれ3回出張が入ってすごいことになっている。あ〜あ、また旅行に行きたいな。夏が過ぎ去っていく。楽しかったな。英語でいうなら、I miss the days of summer ってとこよ。

家の設計をお願いしている奥村先生、まことさんご夫妻から手紙が届いた。詳細設計が詰めに入っているようだ。今年の6月から法律が変わって役所への建築申請が非常に面倒なことになっているらしく、金融機関の借金の際に「検査済証」なるものが必要かどうかの問い合わせがひとつ。その他ビルトインタイプの食器洗乾燥機のどれがいいかなど、細かい問い合わせもあった。

そういう細部まで逐一決めていかねば、建て物って建たないのね。これで自分のめんどくさがり度が分かった。設計って大変だ。雑な人には絶対に向いていない。魔法は使えないのね。
8月28日(火)

・フカひれあんかけチャーハン等

外食中華にした。ゆういちろうが酢豚の肉をほおばりながら食べるのを見て、なぜだか急に思わずほろっときてしまった。子どもが肉をおいしそうに食べる姿は、ものすごく健康的だ。そういえば散髪した私の顔をみて、自分のときは「男前になった」と褒められるのを思い出したのか、「お母さん、女の子前になったねえ。」と心をこめて褒めてくれたりもした。4歳児のくせして中島みゆきの『世情』が好きで、「包帯のような嘘を見破ることで学者は世間を見たような気になる」と教えてもないのに何度も唄うゆういちろう。かわいい私のゆういちろう。
8月29日(水)

・アジャンタのスープカレー

体調不良のため仕事を休んだ。どうしちゃったんだろう、からだが異様にだるく重い。こういう日もあるさとさっさと寝ることにする。夕食は押熊にあるアジャンタのスープカレーをテイクアウトして済ませた。鍋を持っていくとスープを注いでもらえるのだった。この地に家を建てようと思った理由のひとつに、アジャンタがあるというのがある。
8月30日(木)

・フレンチディナー

体調も不思議なほど復活。なんとなくここ2,3日気まずい雰囲気だった夫婦仲も元通りになり、家族でフレンチレストランでお祝いした。ワインボトル1本半空ける。ゆういちろう、パン食べすぎ。不思議な親密さ。明日から心機一転がんばろう!
8月31日(金)

・ごはん
・あさりの味噌汁
・鶏の酢照り焼き
・蒸しかぼちゃ
・大豆と昆布の煮込み
・なすときゅうりのなた割り漬け
・コーヒーと焼き菓子(N子さん、ありがとう!)

ひさびさに料理をした。この一週間は悪妻だった。仕事がはかどらないことを理由に家事の何もかもを投げやりにしていた。でもそれは自発的に気付いて自己反省するのが必要であって、人から指摘されるべき事柄ではないと思う。

実は今朝、リビングと台所の境目あたりの床にガラスの薄片があって、素足の親指で思い切り踏んでしまった。冷蔵庫前は血痕だらけになった。なんでこんなとこにこんなものがと思いつつ、破片が指に残っていないかと足裏をチェックしていると、保育園にゆういちろうを送り届けた夫が一時帰宅した。血痕を見て、うわ、何と一瞬驚いた素振りを見せたものの、私の傷が大したことないと判断するや、「事件現場みたい」と笑いだした。ムッとしつつ、なぜかつられて「怒り笑い」してしまう私。傍目には不気味な状況だったと思う。

夫になぜガラスの破片がこんなところに落ちているんだと問うと、昨日たまりにたまった空き瓶(おもに酒類の)を片付けた際、一部擦れあって落ちたのではとのこと。そもそも私が家事をさぼっているのがいけない、日頃の罰が当たったとかなんとか言って、なんだかうれしそう。と同時に、他にも破片が落ちていてはいけないからと掃除機でその辺をきれいにし始めた。水曜勃発した彼の腹痛時に、何か変なものでも食べたかと相手にしなかった復讐のようだ。

足の親指が痛む私は今日一日あまり冴えなかった。力を入れて歩くのが怖い。