料理ネタ


2007年12月

2日分まとめて更新

12月1日(土)
・宅配ピザ

午前中は保育園の保護者会役員の会合に出席。前日いそいで作成した資料をもとに秋のレクリエーションの活動報告をした。毎回出席率は悪いのだけど、出席してきた人たちといろいろと話すのは本当にリフレッシュになる。みんなご家庭の事情はさまざまだし、出身国も違ったりするけれど、子どもたちのことを思っているという1点でつながっている。私はすぐに自分だけ大変だモードに入りがちなのだが、みんなそれぞれの事情で忙しく、働きながらもどうにか時間のやり繰りをしてここに来ているんだと確認することで、正気に戻れる。

帰宅後、昼寝(夜あまり寝れなかったのさ)。その後、原稿書き。夕飯のことを忘れ、夜10時ごろ慌てて注文した宅配ピザを食べた。


12月2日(日)
・カップラーメン

原稿なんとか脱稿。いつもそうだが脱稿直後に爽快感が得られるわけではない。ただただぐたーっとしてしまう。今回はとくに力みまくった文章になっていると自分でも思うしな。なんせ大幅修正したもの(初稿がだめすぎた)。

で、またふと気付けば夜中の2時まで夕飯を食べていなかった。脱稿後、急にお腹がすきはじめた。でもこの時間に食べたらぶ〜だと思い、いったん布団のなかに入ったが頭が冴えてきて眠れず。2時半に非常食用カップラーメン(日清のシーフードヌードル)をもそもそと食べ、日記を書くことにした。

ゆういちろうの世話は夫にまかせっきりだった。原稿も一部(システムダイナミクスの専門的な記述部分)手伝ってもらった。足を向けて寝られない。でもようやく眠くなってきたのでこの辺で寝るか。今、3時20分。。。明日からは健康的に暮らそう。からだにいいものが食べたい。
12月3日(月)

・赤ワイン
・ごはん
・じゃがいものポタージュスープ
・ビーフステーキ、トマトしょうゆソース
・クレソン
・かぶの漬け物

深夜にカップラーメンすするのはもういやだ。週末は悲壮感あふれる食生活だったので、今日は心機一転ごちそうにした。ごちそうが食べられてとてもうれしい。気のせいかもしれないがお腹から幸せ物質が分泌されているのを感じる。

今年の流行語大賞に東国原知事の「どげんかせんといかん」が選ばれたそうだ。そんなことばが流行っていたのか。知らなかった。少なくとも私の身の回りでそのことばを使っている人を一度も見たことがない。

東国原知事の徴兵制発言には心底幻滅した。ちょっと権力を握るとすぐに人はすっかりいい気になるのだな。ご自分の油断さ加減をどうにかしたらどうか。この手の権力者の出現が一番危ないと思っている。ついに来たか。この知事はこれからいろいろに利用されるのだろう。いやな感じだ。

朝青龍が帰国したときの報道もいやな感じだった。小説家・星野智幸のブログで、私がもやもやと感じていた違和感、嫌悪感がほぼ的確に表現されていた。私もいやだいやだと言っているだけではなく何がいやなのかなるべくことばにしていく作業をしていこう。じゃないと本当に精神的に参ってしまう。かつてイラクで活動していた高遠さんのバッシング報道の時のように、怖くてテレビを見られなくなってしまうのは避けたい。立ち向かいたいのに怖がっているだけの自分も嫌だった。

「いやがり」つながりで。去年の介護保険の改定によって福祉用具貸与者が32%も減ったという共同通信のニュースも、いやでいやでしょうがない。夫いわく、直接の因果関係を問うことはできないが、去年ぐらいから長崎の母に貸与される車椅子の質が悪くなったとのこと。ブレーキの効かなくなった時代物の車椅子になってしまったらしい。最新の車椅子はどこに行ってしまったのか、誰が使っているのか。

閑話休題。

本当にひさびさに連絡をくださった方がいたり、憧れの研究会で発表できることになったり、今日もいいことがあった。救い。おかげで陽気でいられる。いいことについては熟成させて書こう。
2日分まとめて更新!

12月4日(火)
・ごはん
・昨日の残りのポタージュスープ
・ぶりしゃぶ、添え野菜(白ねぎとえのきだけ)
・刺身盛り合わせ
・かぼちゃの煮物
・もずく

魚が食べたいと言ったら、この日自宅研修の夫が魚中心の食材を用意してくれた。魚ももちろんおいしかったが、びっくりしたのはえのきだけがとてもおいしかったことだ。いろいろ具沢山の鍋のときは、えのきに注目することなどまずなかったが、少数精鋭で湯のなかをくぐらせると、こんなにひとつひとつの食材の味が味わえるのだなあ。きのこの旬ということもあるだろうが、調理法の違いも大きいと思う。

奥村ご夫妻よりファックスが届いた。新しい家のことが一気にどんどん進んでいる感じだ。どうやら奥の庭の植栽は予算の関係でカットされそうだ。自分たちの好きな木を好きなタイミングで植樹できるとポジティブに捉えなおせば、これは実は悪くない提案だ。

庭木のことをインターネットでちょっと調べてみた。このサイト を見て、初めて「根回し」ということばの本来の意味を知った。ふーん、そういうことだったのか。植物関係者のなかでは根回し上手な人といえば大変な褒めことばになるのね。以下サイトより関係する箇所を抜粋。

(1) 木が、生命維持に必要な水や養分を吸収しているのは、主に、根の先端部にある「細根」である。大きな木ほど、根が長く伸びているため、幹から遠く離れた場所に細根がある。そのため、地植えの大きな木を掘り上げて植え替えると、どうしても、細根を切ってしまうことになる。細根を失った木は、次第に衰え、枯死することがある。

(2) 「根回し」とは、植え替えを控えた木の根の途中を人為的に傷付け、その傷口付近から新しい細根を出させる作業である。植え替えによって根の先端部を失っても、途中から細根が出ていれば、枯れる心配が少なくなる。

(3)を飛ばして(4) 落葉樹は、大きな木でも、比較的掘り上げ・植え替えが容易だが、それでも、古い木には、根回しをしたほうが安全である。一般的に、若い木ほど移植後の活着がよく、老いた木ほど失敗することが多い。


12月5日(水)
・日本酒
・温泉卵入り納豆
・牡蠣の土手鍋
・〆うどん、生卵につけて

振り返ってみるに卵の摂取量が多い。でも、鍋に残った味噌をうどんに絡め、そして生卵につける。止められないではないか。

本日職場の茶飲み場でともだちと和気藹々と休憩していたところ、ある人が「ゴッホは肺炎でした。ゴッホ、ゴッホ、ゴッホ」と言ったので、青年団の代表作『東京ノート』のなかの最も有名なセリフ「ドガドガドガドガ、ちょっとマッチッス、この絵をミロ」と私が継ぎ足したら、本当に他の人たちが一瞬でサーっと引いてしまってやおら解散となり、最後の決めゼリフ「あんたダリ?」まで到達することができなかった。心がさぶかった。芸の道ってまことにきびしい。一分の照れもあってはならないのだ。

さて気を取り直して最近あったよいことを書き出そう。

(1) カナダ・ビクトリア大学の野呂博子先生がわが研究室を訪問してくださった。野呂先生は日本語教師で、『東京ノート』を素材にした日本語学習者向けの教材を開発された方だ。プログラミングをしたのは、日本語が趣味のあちらの数学者。これから研究交流をしていきましょうと硬く誓い合った。

(2) 合原一幸先生が主催する時系列解析研究会で発表できることに。合原先生に私たちの論文を送ったら、わざわざメールをくださりそういう話になった。むちゃくちゃラッキー。これを機にたくさん勉強しよう。

(3) ともだちが生まれたばかりの猫を拾ってしまい、里親を探していたが、里親探しを代行しくださる方が無事見つかった。引き続き里親募集中であるらしいが、ひとまずよかった! その方のブログの11月29日以降の日記に順次様子が綴られています。

(4) 本当にひさびさにうさぎ庵の工藤千夏さんからメールがあった。用件はお金受け取ったというもの。今年4月に千夏さん作・演出の『チチキトク サクラサク』を観てそのまま打ち上げに参加したのだが、お金がないことに気付き借金(なにしとるんじゃ)。今度いつ会えるか分からないので翌日知り合いの俳優さんにことづけたのだが、めぐりめぐって(?)、お返ししたお金が今頃になって千夏さんの手元に。こののんびりした感じ、好きだなあ。

(5) おかあさん的同僚のSさんが読むべき論文をたくさん紹介してくれた。多謝!! 私も親切な研究者であらねば。初心にかえる。
12月10日(月)

・寄せ鍋
・〆卵雑炊

しばらく間があいた。散々な日日だった。まず夫婦喧嘩。その後、土曜深夜のゆういちろう突然の高熱。喧嘩をしている場合ではなくなり協力して看病にあたった。本日は私が仕事を休んで、明日は夫が休みを取る予定。夕食は夫が仕事疲れにも関わらず作ってくれた。感謝。

かかりつけの病院に連れていったところ、インフルエンザではないとの診断を受けて、ほっとしたのもつかのま、夕方6時ごろに先生から電話がかかってきてもしかしたらインフルエンザかもしれないと言われた。のどの粘膜細胞を調べていて、うっすらと反応らしき線が見えてきたとのこと。どっちだ? ゆういちろうは比較的元気なのだが。
12月11日(火)

たらこスパゲティ
・ミネストローネ

ゆういちろうの熱は下がった。けれどもインフルエンザだったら指定伝染病のため保育園を長期休まねばならず、インフルエンザかどうかは本人、家庭、保育園ともにクリティカルな事象なので、昨日に引き続き今度は夫がゆういちろうを病院に連れていって診断を仰いだ。結果は、「インフルエンザウィルス抗原検査は擬陽性と考えられ、24時間解熱していれば登園可能と考えます」。よかった、よかった。でもまあ、擬陽性って、ややこしい反応しやがって。

私のほうはといえば、お客さんと今後の仕事打ち合わせがあるので、研究所に行った。からだがだるいぜ〜っと思いながらの出社だったが、おかげで年度末の作業方針の目処が大体たった。すぐに糸の切れた凧になってしまいがちなので、ある程度意図的に外部ドリブン、締め切りドリブンで動かないと、自分がだめになっていくような気がする。よかった。でも年明けからまた猛烈に忙しそうだ。

どうやら今度は私の番のようで、悪寒と発汗が交互にやってきて参ったなあと思っていたが、夕方ぐらいからすっとからだが軽くなった。ずっと和風の鍋ものが続いたので、気分を変えて洋食にした。たらこスパゲティには従姉妹のKちゃんが送ってくれた博多の辛子明太子を使用。美味。ミネストローネにはうちにある洋野菜を全部刻んで投入した。鶏肉も入れて栄養たっぷりにした。ゆういちろうもスープには口をつけてくれた。

スープはしばらく持つだろう。ミネストローネがなくなったら、今度は和野菜で大量の豚汁にして、乗り切るつもりだ。米もある。大根1本、ほうれん草たくさん、りんごや柿をお隣さんからいただいたので、万が一夫出張中に私が病気になり買い物に行けなくても飢える心配はない。ありがたいことだ。

■追記
そうだそうだ。昼間財布を失くしたのだった。正確にいうと、ランチ後社員食堂に財布を置き忘れたのだが、そのこと自体に気付かず、夕方総務から電話がかかってきて失くしていることに気付いたのだった。親切な方が発見してくれて本当にラッキーだった。早めに早退してたら大変なことになっていた。注意散漫に注意。しっかりしなければ。
12月12日(水)

・ごはん
・ミネストローネ
・冷奴
・納豆(こどものみ)
・イカ明太(おとなのみ)

今日は私が仕事を休んだ。ゆういちろうと二人で仲良くゲボゲボと咳の大合唱。すてきな家族。夕食はありあわせのもので間に合わせた。熱を帯びた喉に冷たい豆腐があたると気持ちがよい。

大量の論文を持ち帰ったが、結局2本読んだくらいだ。あとは今週末できなかった私人としての活動をまとめておこなった。喪中はがきの残りを書いたり、お歳暮を頼んだり、クリスマスプレゼントを贈ったり、従兄弟家族へ出産祝いを贈ったり、などなど。病気のときインターネットは助かる。

ゆういちろうは鼻から水が出るといって、いらいらしながら怒っている。「鼻血?」と聞いたら、「鼻血ちゃう。鼻血言うな」とますます怒り出してしまい困った。どうやら本人のプライドを傷つけてしまったらしい。鼻をかむ行為というのは意外と教えるのが難しい。こうやるんだよと手本を見せつつ、ティッシュペーパーを当ててやっても吸ってばかり。。。字はいろいろと読めるようになっても鼻をかむことがまだ出来ないのだ。
12月19日(水)

・月見うどん(の予定)

1週間ぶりの更新だ。この間、マイコプラズマという比較的症状の軽い部類の肺炎にかかり、臥せっていた。夫の海外出張の時期と重なり、無事にサバイブできるかどうかが一番の関心事だった。仕事以前の問題だ。病弱な実家の母に感染源だらけの我が家に来てもらうわけにはいかないし。

ゆういちろうの食事は昼は保育園、夜は一時保育先の園でまかなってもらった。私は果物やうどん、白ご飯を食べて乗り切った。

症状は軽いといっても、入院治療とまではいかないというレベルであり、夜呼吸が苦しくなることもしばしばだった。気管支拡張剤のテープを貼ると、じわーっと呼吸が楽になるですよ。知らなくてもいい感覚を知ってしまった。抗生物質のおかげで、症状の激化を抑えたという感じだ。抗生物質様さまだ。

枕元には、庭で摘んだローズマリーの枝とまことさんがくれた柚子の実(奥村家の庭になったもの)を置いて、匂いをかいでなぐさめた。
12月20日(木)

・握り寿司
・かけそば

夫が寿司を買ってきて、そばをさっとゆがいてくれた。明るい兆しは見えているが、まだ長時間台所に立てる感じではない。

昨晩咳の発作が出て困ったが、今朝になるとかなり落ち着いてきた。午前中病院にいってゴーサインをもらってから、晴れてひさびさに出社した。咳はしばらく残るけど(肺にたまった痰を最後まで出し切るという仕上げ的症状らしい)、基本的には症状の進行はストップしていると見てよいとのこと。ただし他の人に感染させる恐れは残っているので、医師から出された出社の条件は、マスクをすること。

「のどぬ〜る」というマスクをコンビニで買った。小林製薬のだ。ユーカリの香りのする特殊ぬれフィルターをマスクの内ポケットに装着する凝った仕様に、買っただけで満足したが、使ってみてもっと満足した。顎から頬と鼻にかけて適度にフィットする安心感ある付け心地で、香りも気持ちをすっとさせてくれる。手持ち無沙汰とのときはマスクの上からぬれフィルターを押さえてみて感触を楽しむこともできる。気に入った。今度からこれだ。

帰宅前に、自宅最寄駅前のショッピングプラザで拳銃を持った男が立てこもっているという噂を同僚から聞かされ、すっかり腰が引けていた。でも、駅前に着いても静かだったから、単なる噂だったのかなと思っていたら、ゆういちろうを迎えに保育園にいくと銀行強盗があったという張り紙が出ていた(ここに記事がある)。
12月22日(土)

・ベーコンとたまねぎのスープ
・カルボナーラ
・アクアパッツァ
・生ハムとルコラのサラダ

夫が作ってくれた。私の食欲はまだ完全ではない。ゆえにあまり楽しくない。自分が、食い気と生きる喜びとが直結しているタイプの人間だということをあらためて認識している。

お湯が出ないのでガス屋さんに来てもらったら、給湯器の電子基盤が壊れているので全とっかえの必要があると告げられた。工事は場合によっては年明け。まったく素敵だぜ。
12月24日(月)

・赤ワイン
・フランスパン
・かぼちゃのポタージュスープ
・ビーフステーキ、しょうゆトマトソース
・マッシュポテトとルコラ
・珈琲&チョコレートケーキ

ぱんぱかぱーん、復活!!!

ひさびさに食べ物がおいしい〜っと感じられた。お酒も飲みたいと思うようになった。健康って本当に素晴らしい。食卓に笑顔が戻ってきて本当にうれしい。いままで私が陰の気を出しまくっていたのね。家事も仕事もこの日記も何もかも投げやりでどうでもよくなっていた。体力が持ち直して気力が復活した感じかな。あぶないところだった。マイコよ、君はもう2度と我が家の門をくぐってはいけない。2度とくんなよ。アヂュー。

先月から我が家は怪我や病気が続いた。これで今年のよくないものを出し尽くして、清らかな気分で来年を迎えられるのだと、いいように解釈するようにしよう。もっと軽やかに文章を書く研究者でありたいのだけど。歯を食いしばってのたうちまわりながら仕事してたのかもな。論文を書き終えたあと、精魂尽き果ててぱたっと倒れる癖をなんとかしなければ。家族や周囲の人間はもちろん、自分がいい迷惑だ。まずい食事はまっぴらだ。

幼馴染のKちゃんからクリスマスのプレゼントと手紙が届いた。毎年思うことだけど、とりわけ手紙がうれしいのだなあ。優しい気分になる。夫にも、苦学生時代に大変お世話になったご夫婦からマリア像の描かれた心のこもった絵葉書が届いた。ことばの力は大きいなあと思う。優しい手紙や葉書をもらうと、たとえ給湯器からお湯は出なくとも、からだじゅうの血がぽっと暖かくなり事足りるのだ。私も丁寧に愛情をもってことばを綴っていこうと思う。
12月25日(火)

・日本酒
・いろいろ野菜と豚バラの鍋
・〆うどん

昨日はバターたっぷりの食事で少し胃に負担がかかったので、おろしポン酢で食べる野菜中心の鍋にした。ほうれん草と豚バラの組み合わせは、予想してたとおりにマッチした。

明日は東京1泊出張。その足で伊丹空港に戻り、家族と合流して、長崎に向かう予定だ。気力が戻った今、旅行は楽しみのひとつだ。病み上がりハイで浮かれすぎないよう注意して、無事に年末年始を迎えることを目下の目標としよう。一日いちにちを大切に過ごすこと。
12月26日(水)

・懇親会メニュー

カオス数理の専門家である合原一幸先生に声をかけていただいて、時系列解析研究会というセミナーで研究発表をおこなった。合原グループの研究紹介を見てもらったら分かるように、超専門家の方々を前に、自分の研究の話をできるのはそれはもう大変光栄であった。でもノミの心臓なもので、そのぶんだけかなりどきどきした。果たして、私のやっている解析の方法と結果には本当に意味があるのかどうか、前日まで自問ばかりしていた。もっと自信たっぷりに堂々とできればいいのだけど、理系コンプレックスが前面に出たおどおどとした発表になったかなと思う。気後れ感、大。反省。

でも、別の開き直りがあって、分からんものは分からないのだから、いろいろと教えてもらおうという「魂胆」も持っていた(人になにかを与えるより、人から何かをもらおうとしてばかりなのだが。。)。 そちらは念願かなったり! 現在合原グループでは神経パルスデータをリカレンスプロットなどの時系列解析にかけようと奮闘している最中で、データの形式だけからいうと、私のやっている発話タイミングの時系列データと相似している。だから、非常にたくさんの解析テクニックのポイントや論文をおしえていただけた。なかには「1時間もあればできる」と言われたものもあるのだが、それが1時間では絶対に済まないのがわれわれの悲しいところ。でも、知っているの知らないのとでは雲泥の差があるので、ありがたいことだった。

あと驚いたのは、青年団の『バルカン動物園』のなかに出てくるイカ型コンピュータシーンの会話内容(イカの神経はず太いが意外と繊細な生き物)は、合原先生の発言に由来するという。虚構と現実が交差する眩暈がするようなご縁だ。

研究室の忘年会にもちゃっかりお邪魔し、科学者の集まり、学究の徒の集団の雰囲気を味わった。気になることがあったらホワイトボードで即数式だらけの議論が始まるのね。内容はひとつも理解できないが、それを見るだけで爽快なシャワーを浴びている気分になった。

帰りの電車の駅では、たまたま青年団の俳優さんたちといっしょになった。なんだか私はいつも一人で、とても親切なアウェイの集団のなかに飛び込んでばかりのような気がする。個人研究スタイルが板についてきたのだろうか。私にとっての研究上のホームは、スウィートな過去と、きっとちょびっとばかりビターな未来のなかにあるのだろうな。
2日分まとめて更新

12月27日(木)

・上皿うどん(太麺)
・えびのチリソース
・後、グラスワイン

羽田から伊丹、伊丹から長崎と飛行機を乗り継いで長崎入りした。羽田はものすごく混んでいた。伊丹はそれほどでもなかった。東京は人が多いのだな。。

夏に来たときにはカビだらけで大変だった長崎の家は、今度は大丈夫だった。冬は細菌もおとなしくしてくれている。ガスの開栓に立ち会ったのち、中華街に出かけて食事した。皿うどんの太麺に甘酢ソースをかけたら大変おいしかった。

その後、ホリデイ・インの1階にあるバーに移動して、お酒を飲んだ。ひさびさのなごやかな休日となった。


12月28日(金)
・昼
 ・魚介中心のフレンチ
・夜
 ・茶碗蒸し定食

レンタカーを借りて三川内、波佐見と焼き物めぐりをした。途中佐世保に寄って、レストラン黒田というフランス料理屋でお昼を食べた。堪能した。魚がおいしい土地柄のうえ、とても素直に塩や植物油やバターの味が効いていて、また夜にでもゆっくり味わいにきたいなあと思った。

夜は長崎市内に戻って、吉宗(地元での愛称:よっそうさん)で茶碗蒸しを食べた。もともと茶碗蒸し好きのゆういちろうは、ただひたすらもくもくと大きな丼に入った茶碗蒸しをたいらげた。老舗の風情漂う店構えなのだけど、初代のモットーが「簡単でうまいものを忙しい方に」というものだったそうで、夜でも気軽に食べられる。もちろん豪華な卓袱料理コースを頼むこともできるが、その隣の席で茶碗蒸し定食を選んでも全然わびしい気持ちにならない。大広間ではみなそれぞれの席で好きなように和気藹々と楽んでいる雰囲気だった。ちゃんぽんだけ頼んでもオッケーの中華街での食事の仕方に似ていると思った。

長崎はおいしく、懐が広くて大好きだ。30代子連れカップルにも寛容。住みたい町のひとつだけど、びっくりするような犯罪もよく起こるんだよな。
12月29日(土)
・昼
 ・五島うどんと天麩羅
・夜
 ・一口餃子とおにぎり

今日は義兄の命日なので遺骨を預かってもらっているお寺でお経をあげてもらった。私たち夫婦の結婚式を挙げた教会にも結婚後初めて訪れた。シスターが丁寧にいろいろな事柄を説明してくださった。神父様は別の教会に異動されていた。

昼はうどん屋で、五島うどんと天麩羅を食べた。麺はもちろんだが、とても薄味のつゆだが、あごだしがさりげなく効いていてなんともいえずおいしかった。五島うどんは五島で食べるより長崎市内の店のほうがおいしいと思う。あと天麩羅も1品ずつ注文でき、揚げたてをよそってくれた。びっくりするくらい安くておいしかった(野菜類はたいてい70円、ジューシーな牡蠣150円!)。衣は比較的もっさりしているのに、それが嫌などころか油がおいしいなあと思えた。

夜は、ガイドブック(るるぶ)に堂々トップに載っていた一口餃子の店に行ってみたが、失敗だった。炒めたたまねぎの甘味ばかりして、肉がほとんど入っていない。餃子でがっかりしたのは初めてだ。観光気分に浸って調子に乗ってはいけないということか。

明日は特養に入っている母を長崎の家に迎える。ひさびさの再会だ。今回の帰省は、将来的に母を奈良に迎えることができたらもう当分は長崎に来ることもないだろうからと、いつもより観光の要素が多くなった気がする。
12月30日(日)

・昼
 ・五島うどん
・夜
 ・ごはん
 ・牛のたたき
 ・ぶり鍋
 ・梅干

母を特養まで迎えに行った。ふたりの介護士が付き添いのため家まで来てくださった。腰を痛めている夫に代わり、坂の中腹にある家まで母をおぶって連れてくるためだ。折しもあられが降る悪天候だったが、屈強の男性によって無事にたどり着いた。聞くと18歳。高校を卒業してすぐに介護士として働き始められたそうだ。もうひとりの先輩格の介護士の方もまだ22歳だという。年末年始も休みはないとのこと。「とても大変でしょう」と夫が聞くと、「それが使命ですから」と全く嫌味なく爽やかに先輩格の男性が答えた。

昼も夜も夫が作ってくれた。母は畳に座ることができなくなったので、今年から台所にあるテーブル席で食事することになった。以前は足が痛むので食後はすぐにベッドに寝ていたのだが、椅子に座ることで、食後もゆったりと話をすることができてよいのかもしれない。
12月31日(月)

・昼
 ・鯛茶漬け
・夜
 ・年越しそば

昼の鯛茶漬けは私が準備した。と、書けば大変な準備を必要としそうな献立だが、そんなことは全くなく、ごまだれにつけた鯛の刺身をご飯の上に乗せ、ねぎ、青じそなどの薬味も乗せ、昆布茶をかければ出来上がり! 長崎のグラバーヒルホテルで出されたものを参考にしている。ポイントは鯛の刺身の鮮度かな。奈良でも2度やったことがあるが、どうしても鯛特有の臭みが出てしまい、いまいちの出来だった(ごまだれでは臭みは消えぬ。その点醤油は偉い)。鯛茶漬けは長崎の楽しみのひとつだ。母の好物でもある。

年越しそばは夫が作ってくれた。だししょうゆベースのつゆに、天かすとねぎ、かまぼこを浮かせたそば。来年も飢えることなくおいしくものが食べられますように。

ゆういちろうは「ゆういちろうはな、漢字も書けるんやで」と紙を手渡してくれた。見ると、「真」の字とその右隣に「生」の字が書かれてあった。真に生きろとは、これは大人である私たちへの挑戦かとびっくりしたが、「生」の字は、こたつの上に片付けもせず無造作に置いてあった飲み干し後のビール缶を見て書き、「真」の字は、「もったいないばあさんかるた」の作者、真珠まりこさんの字を見て書いたという。

幼馴染のKちゃんのクリスマスプレゼントである「もったいないばあさんかるた」は長崎で大ブレイクしている。外遊びできなくとも、ゆういちろうは余り文句も言わず遊んでいる。間(ま)がもって助かっている。

ところでKちゃんには私もアマゾンからプレゼントを贈ったのだが、なんと今頃になって届けることができなかったので返金しますとアマゾンからメールが届いた。なんで?と思ってKちゃんに電話したら、その時期ずっと家にいたと言うし、住所も間違っていない。不思議なこともあるもんだ。